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「妻が先を歩くだけで不機嫌に」モラハラ加害者の無言の“圧”はなぜ生まれるのか

モラハラ加害者が使う常套手段「無視」

男女問わず、モラハラ加害者が使う常套手段「無視」。元加害者がその心理を語る

「こちらに少しでも落ち度がある時には強い言葉で責めてくるのに、都合が悪くなると何日も無視したり不機嫌で黙らせようとしてきます…結局こっちが気を遣って機嫌を取ることになり、嫌になります」(モラハラ被害を受けている相談者)  DV・モラハラ加害者が、愛と配慮のある関係を作る力を身につけるための学びのコミュニティ「GADHA」を主宰しているえいなかと申します。  僕自身もDV・モラハラ加害者です。そのせいでたくさんの人を傷つけ、仕事や家庭が破綻寸前になり、ようやく自身の加害行為、それを生み出す加害的な思考・価値観を自覚しました。現在は日々自分の言動を改善しながら、妻と関係を再構築させてもらっています。  この連載では、僕自身の経験や当事者会での気づきを共有していきます。職場や家庭でモラハラに苦しんでいる方々、無自覚に加害を行っている方々の参考になれば幸いです。  被害者の方から「無視・無言で攻撃される」という話をよく聞きます。一体、なぜ加害者は自分の言葉で説明せずに、無視・無言によって相手を攻撃するのでしょうか。  僕もそのような加害をしてしまったことがあります。ある日、妻と楽器の練習をしにカラオケに向かっている時のことでした。

妻が先を歩いていっただけで不機嫌になった愚かな私

 どこかで道路を渡る必要があったので、僕は妻に何か言うでもなく唐突に道路を渡りました。僕が前を歩いていたので当然妻がついてくると思っていたのですが、妻はそのまま元いた道を歩き続けます。  すぐ渡ってくるだろうと思って自分も歩いていたのですが、妻は振り返りもせずにどんどん歩いていきます。なんだか置いてけぼりにされたような気がして、次第に「なんでついてこないんだ」「どっかで渡らなきゃいけないんだから、どこで渡ってもいいだろう」「楽器の練習をしたいというから忙しい中で時間を作ったのに…」と怒りが湧いてきました。  結局、一人で歩いているうちに一緒に楽器を練習する気がなくなり、スマホで「今日はもういい。ご飯を食べて帰る」とだけメッセージして近くのご飯屋さんに向かいました。  しばらくして妻がメッセージに気づき、店の中にいる僕を見つけてこう言いました。 「どうしたの? なんで急に嫌になったの?」  僕は「別になんでもない、あなたに変わってもらうつもりもないし、もう今日は何か一緒にする気もない。一切話したくない」と言ったきり、何も言われても答えずに無言を続けました。
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悔しさや恥ずかしさを認めることができずに、怒ってしまう
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