更新日:2021年08月22日 09:48
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宮迫の謝罪が「謝罪に見えない理由」。雨上がり決死隊、解散会見の表情を分析

二人はもう、ケンカができる段階は過ぎていた?

 これらの表情は、ケンカの段階、ケンカが出来る段階は終わったことを示唆していると考えられます。  関係性を維持するために相手に直してほしいところがある場合、それを相手に指摘します。怒鳴り声や大きな声をあげて指摘することもあるでしょう。嫌な部分を積極的に取り除こうとするのです。これが怒り感情に関連する行動です。  嫌悪の場合、相手に嫌な部分があっても、「それを近づけないでくれ」という消極的な状態を意味し、諦めの気持ちがあるとき、積極的な行為を投げかけても無駄であると考えるとき、生じる可能性が高い感情であると考えられます。  ケンカというコミュニケーションも取れない、取りたくない状態とも言えるでしょう。蛍原さんの「(宮迫さんがYouTube活動をすることが)『あ~決まってんのか』って。(やらんでもいいけど、今さら)言えない空気」という言葉にも如実に表れていると思います。  軽蔑の場合、相手を尊敬する想いが低下している状態を意味します。宮迫さんの釈明に敬意を感じられない状態なのではないでしょうか。

宮迫の闇営業も失望の原因か

 宮迫さんが今回の解散を離婚に例えていましたが、奇しくも、夫婦喧嘩の際に、怒りではなく、嫌悪と軽蔑表情が生じる場合、4年後には90%の夫婦が離婚することを示している研究もあります。  蛍原さんは、宮迫さんの闇営業からYouTube活動に伴う一連の経緯を通じて、落胆、嫌悪、軽蔑などが重なり、ケンカするパワーすら残されていなかったのかも知れません。  ところで、冒頭から事あるごとに宮迫さんは、眉の内側が引き上げられ、口角が引き下げられ、下唇が引き上げられる悲しみ表情を見せています。 「またこんなの芝居っぽい、演技っぽい、言われるから」と宮迫さんは言っていますが、私には、これが心からの悲しみの表れだということがわかります。演技することが難しい表情だからです。悲しみは、大切なものを喪失するとき、あるいは、喪失したときに生じる感情です。  蛍原徹という相方、アメトークという番組、番組や自身を取り巻く関係者の想いを失ってしまったという想いでしょう。ご自身が感じている喪失感とそれ以上に周りが感じさせられた喪失感をどう取り戻していかれるのか、今後の活動を期待させて頂きたいと思います。 【参考文献】 <昨日のアメトーーク!を終えて、お伝えしたいことがあります。「宮迫ですッ!【宮迫博之】」2021年8月19日アクセス> 大渕憲一『謝罪の研究―釈明と心理の働き』(2010)東北大学出版会 ジョン・M・ゴットマン/ナン・シルバー著 松浦秀明訳(2007)『結婚生活を成功させる七つの原則』第三文明社 Carrere, S.; Buehlman, K. T., Gottman, J. M., Coan, J. A., & Ruckstuhl, L. (2000). “Predicting marital stability and divorce in newlywed couples”. Journal of Family Psychology 14 (1): 42–58.
株式会社空気を読むを科学する研究所代表取締役、防衛省研修講師、特定非営利活動法人日本交渉協会特別顧問。日本国内にいる数少ない認定FACS(Facial Action Coding System:顔面動作符号化システム)コーダーの一人。著書に『裏切り者は顔に出る-上司、顧客、家族のホンネは「表情」から読み解ける』中央公論新社、『ビジネスに効く 表情のつくり方』イースト・プレス、『「顔」と「しぐさ」で相手を見抜く』フォレスト出版、『0.2秒のホンネ 微表情を見抜く技術』飛鳥新社などがある。
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