ここで心配なのは、災害派遣やオリンピック支援といった自衛隊の派遣任務での新型コロナ感染の予防体制です。約22万人にいる自衛隊員のうち一部の約1万人程度には先行接種がありましたが、接種はそこから進んでいない状況です。概要を説明すると、まず、自衛隊の医官・看護官・薬剤官等は新型コロナワクチン接種を6月末に完了しました。ついで、緊急搬送に従事する自衛隊の衛生、航空科の隊員も先行接種枠対象となりました。ここまでは「医療関係者枠」のようなものです。
次に優先枠ではありませんが、5月に米モデルナ製ワクチンの健康調査(いわゆる治験枠)が自衛隊員に割り振られました。この治験枠はR/TJNO(在外邦人輸送担当 Rescue of Japanese Nationals Overseas)など海外での任務に従事するような特定の隊員に配分されました。この数が1万人程度。ただ、自衛隊員は22万人おり、その他の約20万人の隊員は一般接種券の配布を待っての接種になります。