ーーKUROさんがブラサカに興味を持たれたきっかけを教えてください。
KURO 出会いは2作目の小説を執筆するにあたって題材を探していた時ですね。音を使う競技であることは知っていて「非常に音楽的で、これは自分の音楽経験から小説で描写できるんじゃないか」と思ったところから興味を持ちました。それで、かねてから面識のあった日本代表の加藤健人選手に連絡を取りました。
ーー実際に書くことになって取材を進めたと聞きます。
KURO ブラサカに関する本をいくつか読んだんですが、これは体験してみないとわからないと。それで実際に練習に参加させてもらいました。
ーーKUROさんはサッカーの経験はあったんですか。
KURO 全然上手くなくて補欠でしたけど、小学生から中学生くらいまでやってました。でも、ブラサカについてもそれまでは「目が見えない人たちが頑張ってるスポーツ」ってイメージだったんです。でも、実際に体験してみたら、ものすごく奥深い。
視覚以外の音や声から空間を認識する能力がすごい
ーーいわゆる「ハンディキャップを乗り越えて」みたいな感じでしょうか。
KURO パラスポーツって、どうしてもそういうふうに見てしまうんですが、ブラサカの選手たちは、視覚以外の音や声から空間を認識する能力がすごいんです。むしろ目が見えている人の方がハンデがあるように思えるほどだったことに衝撃を受けましたね。
一緒に練習してみて衝撃だったのは、僕は来たボールを単純にトラップすることもできなかったんです。でも彼らは、平気でドリブルするし選手同士の位置関係も常にわかってるし、シュートも的を外さずに打てるんですよ。もう、アベンジャーズの特殊能力みたいですよね。取材は感動の連続でした。
ーーそしてブラサカの魅力にハマっていったわけですね。
KURO 試合も観戦しに行ったんですけど、観ながら熱くなっている自分がいて。プレイももちろんですけど、ゴールが決まったりすると、大きなBGMが鳴ったりしてエンターテイメント性がめちゃくちゃ高いんですよ。