ーーブラサカの強豪国も今回はやってきます。海外の選手で注目している選手はいますか。
KURO 僕がすごく楽しみにしてるのは、ブラジルのリカルド選手という天才ですね。ブラサカのメッシと言われています。彼は小さい時から健常者と一緒にサッカーをやってたらしいんですよ。
ブラサカのドリブルは、インサイドで小さく蹴って進むのが普通なんですけど、リカルド選手はボールを前に大きく蹴り出してドリブルするんですよ。見えてるとしか思えないようなドリブルですね。
ーーでは、我らが日本代表の選手で注目している選手も教えてください。
KURO キャプテンでエースの河村怜選手ですね。シュート力もあるんですが、彼の魅力は足に吸い付くようなドリブルですね。それを駆使して中盤で相手をかき乱したりできますし、なによりボールを持った時の安心感があります。
日本代表チームは突出した能力を持った選手がいるというより、チーム力で戦っています。だから、個々の選手への注目以上にチームとしての完成度を見てほしいですね。
ーー先日のオリンピックで注目された女子バスケ日本代表みたいなチームなんですね。
KURO そうですね。総合力が日本代表の武器ですね。
東京五輪でブラサカが持っている意味とは
ーー今回のパラリンピック、意味の大きなものだと聞きました。
KURO 日本のブラサカは、パラリンピック初出場という歴史的瞬間なんですよ。何より見ていただければ感じていただけると思うんですけど、ブラサカはとてもスキルフルでエンタメ性が高くて本当に興奮できるスポーツなんです。
ーーそんなブラサカが「今」持っている意味はどんなところでしょう。
KURO 決して「ハンデを持った人が頑張ってるスポーツ」ではないんです。ダイバーシティという言葉が広まって多様性が叫ばれていますが、目の見えない人と目が見える人が一緒になってプレイしていくという競技ですからね。それ自体でノーマライゼーションのメッセージが込められているので、是非見てほしいですね。
取材・文/Mr.tsubaking
Boogie the マッハモータースのドラマーとして、NHK「大!天才てれびくん」の主題歌を担当し、サエキけんぞうや野宮真貴らのバックバンドも務める。またBS朝日「世界の名画」をはじめ、放送作家としても活動し、Webサイト「世界の美術館」での美術コラムやニュースサイト「TABLO」での珍スポット連載を執筆。そのほか、旅行会社などで仏像解説も。