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家庭でのモラハラ加害者が職場でもパワハラを行う理由

「自分のコピー」しか認めないパワハラ加害者

 マネージャーとは「チームの成果を最大化する人間」です。そのための方法は「自分なしではいられないチームにする」のではなく「自分なしでも高いパフォーマンスが発揮できるチームにする」ことです。  問題は「自分なしでも高いパフォーマンスが発揮できるチームにする」にはどうしたらよいのか、ということがわからないことです。プレイヤーとして能力を発揮できた人間ほど「自分のようにやればよい」と考え、そうしない人間を否定したり、逆に「自分のようにできるようにしてあげなくては」と相手のやり方を無視しして自分のコピーを作ろうとしてしまいます。  では、一体なぜそれが問題なのでしょうか。それは、あなたのチームで活躍できる人の幅を、あなたが狭めてしまうからです。「あなたみたいな人」しか活躍できないチームと、「あなたとは違う人」も活躍できるチームなら、後者の方がより柔軟にパフォーマンスを発揮できるのは道理です。  あなたも働いていて「なんであんな人が評価されるんだろう?」という人をみることがあると思います。  その時に「評価する方がおかしい」と思うのではなく「ああいう人が評価されるような基準があるとしたらそれはどんなものだろうか? それは単に自分が認められないだけで、他の人にとっては価値があるに違いない」と思えるかどうか、ということなのです。

自分が家事をするわけでもないのにダメ出しだけは一丁前

 家庭でのDV・モラハラ加害者にも同じ特徴があります。それは「自分のやり方でやらせたい」「アドバイスをしたらそれを試されないと腹が立つ」というものです。どちらも相手よりも良い方法を自分は知っていて、自分に敬意を払っていれば当然それを試すべきだ、という考えです。  よく、別に自分では食事を作るわけでもないのに「冷蔵庫が汚い、もっと整頓した方が良い」と言ってみたり、自分が片付けるわけでもないのに「食器棚には仕切りがあったほうがもっと綺麗ではないか」と言ってみたりするような人です。  職場でのチームと同じように「自分のような人」しかいられないようなコミュニケーションを取るわけです。しかし、あなたは「自分のような人」とも生きていけないでしょう。  なぜなら、あなたは、あなたより下の人間に「教える」コミュニケーションしか取れず、「教えられる」ことを嫌うでしょうから、あなたは「自分のような人」ともストレス無しに暮らすことはできないのです。  つまり、対等な関係というものを人と構築していないのです。結果として、職場と同様に家族においても、それぞれの良さや魅力、あなたとは違う考え方が発揮されなくなり、あなたのやり方を押し付けられた人はあなたの元から離れていきます。  こうして、加害的な考え方を持っている人は、同じ理由で職場でも家庭でも、人と良い関係を構築することができず、その代わりに権力によってコントロールする関係の中で孤独に生きていくことになるのです。
DV・モラハラなど、人を傷つけておきながら自分は悪くないと考える「悪意のない加害者」の変容を目指すコミュニティ「GADHA」代表。自身もDV・モラハラ加害を行い、妻と離婚の危機を迎えた経験を持つ。加害者としての自覚を持ってカウンセリングを受け、自身もさまざまな関連知識を学習し、妻との気遣いあえる関係を再構築した。現在はそこで得られた知識を加害者変容理論としてまとめ、多くの加害者に届け、被害者が減ることを目指し活動中。大切な人を大切にする方法は学べる、人は変われると信じています。賛同下さる方は、ぜひGADHAの当事者会やプログラムにご参加ください。ツイッター:えいなか

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モラハラ、パワハラ、DV
人間関係は“ことば”で決まる

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