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日本の管理職に足りないITスキルとは?「業務効率化だけがITじゃない」

「りそな」との取り組みで、2倍の成果

馬渕磨理子 草野隆史馬渕:かなり反響のあったりそなホールディングスとの取り込みは、DXの伴走者としてサポートしているそうですね。 草野:これも、人材教育の考え方が根底にあります。りそなHDがデジタルトランスフォーメーション(DX)を牽引する「データサイエンス室」を社内に立上げました。この立ち上げ自体を支援しつつ、伴走者としてブレインパッドの専門性を活かした受託分析業務も実施しています。 馬渕:ブレインパッドの伴走で、どんな効果が出ましたか。 草野:両者で取り組んだ金融商品の販売促進施策では、金融商品の購入率が2倍に向上するなどの成果が生まれています。

データ活用こそ、サスティナブルを担う

馬渕磨理子 草野隆史馬渕:草野さんは、ずいぶん前から「持続可能な社会」について関心が高かったそうですね。 草野:1972年に『成長の限界』(ローマ・クラブ「人類の危機」レポート)という有名なレポートが出ているのですが、要は、このままいくと、世界は成長できなくなるという予測です。これが私が大学生の頃にも話題になっていて、その頃から、サスティナビリティに関心がありました。 馬渕:今でこそ、脱成長という議論が出てきていますね。 草野:人間は豊かさをなかなか手放せないものですよね。今、享受している豊さをできるだけ損なわない形でも、持続可能性を高められる方法が「無駄を減らす」ことです。 馬渕:そこに、データ活用が生かされているわけですね。 草野:何がどれだけ、どこで無駄になっているかを把握しないと無駄は減らせません。そういう意味でも、まずキチンとデータを正しく把握する必要があります。本当に必要な量を明らかにすることで、輸入量や生産量をコントロールできます。また、運送でも効率化を進めることができます。配送のルートを最適化とすると、一番エネルギーロスが少ない形でその物を届けることができます。最適な資源の配分はデータ活用でできるのです。 馬渕:なるほど。 草野:脱成長とかいろいろな議論はもちろんあるけれど、人間が豊かさを何か損なわない範囲の中で無駄を徹底的に減らすっていうことがまず必要です。そこで、ブレインパッドができることはまだまだあります。 馬渕:日本企業の置かれている実態の経済と向き合っているからこその真の意見ですね。
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DX特需の次は?
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