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ぶら下がり中年社員は不要。35歳以上のミドル転職、人事はぶっちゃけこう見る

「もう限界だ、こんな仕事辞めてやる……」
転職

※写真はイメージです(以下同)

 緊急事態宣言が解除されたとはいえ、長引くコロナ禍。約2年の間で職場や生活の環境が大きく変化を遂げた。テレワークやステイホームの機会に、改めて自分の働き方やキャリアについて考える。  役職に就いたり、大きなプロジェクトを任せられたりする同世代もいるなか、頭によぎるのは「転職」の2文字。しかしながら、35歳以上のミドル世代ともなれば、若い頃よりも慎重にならざるを得ない。  今回は、若者からシニアまで個人のキャリア支援などを行う株式会社クオリティ・オブ・ライフ代表の原正紀氏にミドル世代の転職の実態を聞いた。

長引くコロナ禍で企業の採用意欲は活発化の傾向も…

原正紀

株式会社クオリティ・オブ・ライフ 代表取締役社長、特定非営利活動法人キャリアコンサルティング協議会 常務理事・事務局長の原正紀氏

 そもそも転職のタイミングとして、コロナ禍の今は相応しいと言えるのだろうか。“コロナ転職”なんて言葉もあるが……。 「もちろん業種によりますが、データ上でも明らかに採用は活発になっています。コロナ禍で一時期は企業の求人意欲が大きく落ち込みましたが、2年近く続いているなかで企業も厳しい厳しいとばかりは言っていられないですからね。  ただ、選別は厳しい。いま企業は事業転換や業態転換、新事業進出が活発で、そこにきちんと貢献できそうな人を求める動きが強まっていますね」

「ぶら下がり社員」は不要、人事側の“戦力を見定める目”はシビア

 要するに、なんとなく転職先の会社にぶら下がろうという気持ちでは難しい。 「日本の場合、顕著に人手不足が進んでいるので、単に人手という意味ではチャンスが広がっています。その反面、ホワイトカラー層にかんしては二極化していて、むしろ人事側の“戦力を見定める目”は、かつてよりシビアな印象です。  また、若手世代も昔のように会社依存型ではなく、自分のキャリアファーストで考えており、転職・兼業・副業にも積極的な傾向が続いています」  先々のことを考えて会社に籍を置きながらもセカンドキャリアに備えて密かに爪を研いでいる若者たちが増えているそうだ。
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身動きがとれない中年たち
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