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NHK『風の向こうへ駆け抜けろ』平手友梨奈が初主演。2か月で騎乗テクを習得

モンキースタイルをマスター

風の向こうに駆け抜けろ

公式HPより

 平手友梨奈(20)にとって初主演ドラマとなるNHK『土曜ドラマ 風の向こうへ駆け抜けろ』(前編12月18日、後編同25日、ともに午後9時)が間もなく放送される。平手の役柄は地方競馬の女性騎手。その平手と、調教師役で共演する中村蒼(30)、制作統括の内藤愼介氏に話を聞いた。  最近は「馬ガール」と呼ばれる若い女性の競馬ファンが急増中だが、平手は「このドラマをやらせていただくまで競馬は何も知らなかった」そうだ。馬そのものと無縁。「お馬さんに乗ったこともありませんでした」と語った。けれど撮影の約2カ月間前からJRA競馬学校の教官から騎乗の指導を受けた結果、乗り方をマスター。しかも鞍から腰を浮かせる騎手独特のモンキースタイルだ。 「平手さんは運動神経が良い上、体幹が強く、リズム感もあるから出来たのでしょう。指導した先生方も感心していました」(内藤氏)  キレッキレのダンスを得意としていた平手ならではだろう。 「平手さんが馬を全く怖がらないのが大きかった」(内藤氏)

気になるストーリーは?

 ここでストーリーを説明させていただきたい。亡き父が福島で引退馬の世話をする牧場を営んでいた主人公・芦原瑞穂(平手)は、憧れていた中央競馬の騎手になる。だが、中央で成績不振が続き、瀬戸際に立たされ、居場所を失いかける。  そんな瑞穂を迎え入れてくれたのが地方競馬「鈴田競馬場」の緑川厩舎。もっとも、元騎手で厩舎を率いる調教師の緑川光司(中村蒼、30)はやる気が全くない。過去に八百長スキャンダルに巻き込まれたことから、人生を投げていた。 「ただ時間が過ぎるのを待っているような人間でした」(中村)。  板垣李光人(19)、小沢仁志(59)、大地康雄(69)、高橋侃(26)が演じる緑川厩舎の厩務員たちもはみ出し者ぞろい。緑川も厩務員もやはり居場所を失いかけていた。そこへ現れた「勝ちたい」という強い意欲を持つ瑞穂。さらに馬主に見捨てられたものの実力はある異形の牝馬が、緑川や厩務員たちを変えてゆく。一丸となって夢を追い始める。  瑞穂と緑川らが目指したのは「牝馬3冠」の1つである桜花賞。その行方は――。本番さながらのド迫力で描くレースのシーンもある。 「夢を追い掛けることと人の絆の大切さをあらためて描きたかった。また、居場所を失っていると考えている人は少なくないと思いますが、居場所は他人から与えられるものではない気がします。自分で見つけようとしないと得られないと思う。それを表したかった」(内藤氏)
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役づくりにかける執念
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放送コラムニスト/ジャーナリスト 1964年生まれ。スポーツニッポン新聞の文化部専門委員(放送記者クラブ)、「サンデー毎日」編集次長などを経て2019年に独立。放送批評誌「GALAC」前編集委員

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