お金

なぜ、日本の義務教育には“お金の授業”がないのか。国民がバカのほうが国にとって都合がいい

お金の知識なしでは夢すら叶えられない

 日本銀行による調査では、’21年の日本の家計の金融資産は、現金・預金が半分以上を占め、株式と投資信託は合わせて15%以下という結果に。  かたやアメリカでは、株式と投資信託は50%以上を占めています。いかに日本人が投資を敬遠しているかがわかりますね。 大河内薫 また少し大きな話になりますが、日本が経済大国から転落し、コロナ禍で経済が停滞し続けているのも、政治家による金融リテラシーの欠如が一因だと僕は思います。  家庭レベルで見れば、住宅ローン破産や有利子の奨学金の借り入れ、リボ払い、自分が将来いくら年金をもらえるかわかっていない……など、お金の知識がないために起こる悲劇は枚挙に暇がありません。

お金を正しく使えることは別モノ

 また、子供がマネーリテラシーがないまま大人になると、お金(収入)を得る選択肢だって限られてしまいます。時間を切り売りする労働集約型的な働き方しか知らず、収入を得る手段は給与所得しか思い浮かばない……そんな働き方の選択肢が少ない状態は、終身雇用制度が崩壊した時代では心もとないものです。  ここで誤解してほしくないのが、稼いでいる人=マネーリテラシーが高い、とは限らないこと。売り上げを高める能力とお金を正しく使えることは別モノです。 「人生はお金がすべてじゃない」という人もいるでしょう。しかし資本主義社会で生きていく以上、お金なしで生きていける人はいません。  僕自身の話で恐縮ですが、大学進学時には自分で学費を工面せざるを得なかった経験から、「お金がないと夢すら叶えられない」と痛感したこともあります。この世の中では、お金の稼ぎ方と使い方が上手な人ほど、人生は豊かになります。そして、それは正しい知識なしにはなし得ないものです。
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日本でお金の教育が進まない原因は?
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’83年生まれ。’17年に独立。YouTube「大河内薫のマネリテ学園」ほかメディア運営多数。8.2万部突破の最新作『貯金すらまともにできていませんが この先ずっとお金に困らない方法を教えてください!』が発売中

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