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“韓国の失言王”尹錫悦が僅差で大統領に。日韓関係の改善に期待高まる

―[今週の顔]―

僅差で失言王が大統領に!

「貧しい人が賞味期限切れの食品を食べられる自由を尊重すべき」  3月9日、史上まれにみる大接戦の韓国大統領選を制したのは、口を開けばとんでも発言が飛び出す“韓国の失言王”こと、保守系野党「国民の力」の尹錫悦(ユン ソクヨル)氏だ。
尹錫悦

選挙戦で話題となった政権をひっくり返す「アッパーカット」のパフォーマンス。歴代3人の大統領を追及してきた尹氏の当選に、文在寅大統領はさぞ怯えているだろう…… 写真/AFP=時事

 一体、どんな人物なのか? 「ひと言でいえば、世間知らず。ソウル大卒で9回目の司法試験でようやく合格し、検察官になった。朴槿恵(パク クネ)など歴代大統領を逮捕してきたスゴ腕だが、その世界しか知らない。『肉体労働はアフリカですること』『週に120時間働けるようにすべき』など、人権意識以前のレベル。国民は閉塞感から政権交代を選んだだけ」(韓国メディア関係者)

日韓関係の改善に期待高まる

 ただ、日韓関係にとっては「千載一遇のチャンス」と指摘するのは、「コリア・レポート」編集長の辺真一氏だ。 「韓国では反日が票になる。それなのに、尹氏は大統領選中も『反日感情を政治利用しない』と非常に日本に気を遣ってきた。大統領就任後、初の訪問先は米国、次に日本を挙げる」  しかし、議会の多数派は激しい選挙を戦ってきた「共に民主党」。政策決定が滞り、支持率が下がれば、’12年に竹島に上陸した李明博(イ ミョンバク)大統領のように、“反日カード”を切るかもしれない。 「あれから日韓関係はおかしくなった。大阪出身で親日だった李明博氏の竹島上陸は支持率低下だけが原因ではない。前年、韓国憲法裁判所が慰安婦問題で日本側に善処を取り付けなさいという判決を出したのが大きい。  困った李氏は野田佳彦首相に相談したが、けんもほろろに断られ、八方ふさがりに。それから4年後、安倍政権は朴槿恵大統領に譲歩し、謝罪と慰安婦を支援する基金に10億円の拠出で合意した。  それなら李政権のときに歩み寄っていればと悔やまれる。検事総長を務めた尹氏は司法判断を無視できない。徴用工問題で日本側が『国際法違反』と突っぱねるだけだと、尹氏も身動きが取れない」  国際社会が混迷を極めるなか、いまこそ未来志向の関係を築くときだろう。 =====
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新大統領の誕生で共同宣言が見直される?
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