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パワハラ、薄給激務…労働問題の相次ぐミニシアターで社会派映画が上映される矛盾

相次ぐミニシアターでの労働問題

ミニシアター

写真はイメージです(以下同)

大手映画会社の傘下にない劇場、いわゆる「ミニシアター」は作家性の強い映画、社会派映画を広く上映し、観客の支持を集めてきた。しかしここ数年、ミニシアターでは相次いで労働問題が発覚している。 2020年6月、有限会社アップリンクでは元従業員たちの告発により、浅井隆取締役が運営するミニシアターで非常に悪質なパワーハラスメントを行っていたと報道された。同年10月には一応の和解に至ったものの、それが円満なものではなかったことは、元従業員たちの発言によって明らかとなっている。 2020年10月には、すでに閉館したミニシアター、ユジク阿佐ヶ谷も告発された。元従業員が、経営責任者の才谷遼氏による労務問題やハラスメントについて、SNS上で暴露したのだ。それでも、ユジク阿佐ヶ谷はMorc阿佐ヶ谷と名前を変え、経営体制は同じまま平然と営業を続けている。 映画関係者たちの多くはミニシアターで起こっている暴力、人権侵害に見て見ぬふりをし続けている。映画メディアの大半も、ミニシアターの問題には驚くほど寡黙だ。この無関心の理由は何なのか。筆者の経験や映画関係者の声を踏まえながら、日本映画について、あまりにも報道されてこなかった闇を検証していきたい。

告発後も経営体制が刷新されないミニシアター

先に告白しておくと、筆者は昨年9月、noteとSNSにて、過去に勤務していた劇場の告発を行っている。2013年3月から2014年7月まで在籍していた京都市内の「立誠シネマプロジェクト(現在は閉館)」にて、筆者は運営会社と劇場支配人から再三のハラスメントと労働搾取を受けてきた。 告発後、運営会社のシマフィルム株式会社が2017年末から立ち上げた京都市内のミニシアター、出町座でも労働基準法を満たしていない部分があったと、志摩敏樹社長と田中誠一支配人の声明によって発覚した。シマフィルムは2度にわたって労働条件改善の経過報告をホームページ上で行ったが、2021年12月以降、更新は見られない。 アップリンク、Morc阿佐ヶ谷(ユジク阿佐ヶ谷)、出町座(立誠シネマプロジェクト)に共通しているのは、労働搾取やハラスメントが発覚した後も、経営体制が刷新されているわけではないという点だ。そして、ほとんどの作り手、配給会社が作品の上映を続けている。 なぜ、配給会社や作り手たちはミニシアターの労働問題に対し、これほど非情な態度をとれるのだろうか。
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「人間関係が仕事のベースにある」現状
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