「スタッフ休憩自由の美容院」ブラック職場だらけの業界で異例の独自ルール
常識にとらわれない自由な働き方を実践し、コロナ禍でも売上を伸ばしている美容室が愛知県に存在する。話題の美容室の名は、名古屋の栄エリアに店を構える「mulum」。代表取締役を務める亀井彰氏が’21年2月に新規オープン。
「mulum」の最大の特徴は、オーナーの亀井氏が美容業界に関しては完全に素人であること。それにもかかわらず、オープンからわずか1年で売上は200%増。コロナ禍にも負けず、口コミを中心にリピーターを増やし続けている。
好調の理由を亀井氏は「スタイリストの皆さんのおかげです」と謙遜するが、サラリーマンとして営業職を経験したからこそ、取り入れている独自のルールが経営を後押ししていた。そのひとつが、就業中の空き時間はそれぞれ自由に使ってもいいというものだ。
美容師業界では、来客がなくても店舗で仕事を探して作業にあてるのが通例だが、mulumではスタイリストが自分のために自由に時間が使える。たとえば、「お客さんがいないからカフェに行って休憩する」といったことも問題ない。
「サラリーマンとして営業職をしていたとき、時間が自由だと働きやすかったので、美容室でもそうしたいという思いがありました。変な言い方かもしれませんが、僕はスタイリスト全員が経営者だと考えていて。経営者として、それぞれ時間管理、顧客管理、売上管理ができるので、空いている時間は自分のスキルアップのために使うべきだと思います。それに美容室業界のことをわかっていない僕がオペレーションに口を出すのもおかしな話じゃないですか(笑)」
冗談めかしてそう語る亀井氏だが、スタイリストたちが働きやすい環境は、給与面でもしっかりと考えられていた。
「美容師業界で働いている知人に話を聞いて、非常にブラックだと感じだんですね。拘束時間が長いにもかかわらず、給料が安い。それでアシスタントからスタイリストになる前に辞めてしまう人も多い。この問題を僕なりになんとか改善したいと考えていたときに、親しくしていたスタイリストさんたちが別のお店で働きたいと言っていたので、それならいっしょに新しい美容室を作ることにしたんです」
美容師業界の常識を破るルール
「拘束時間が長いのに給料が安い」を改善
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