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ウクライナ反戦活動に参加する日本人支援者を直撃。その真意とは

繁華街で行われる反戦デモ

鈴木幸子さん(右)、みゆきさん(仮名、中央)、くにえさん(仮名、左)。胸元にはくにえさん手作りのウクライナアクセサリーが光る

 ロシアによる軍事侵攻が始まった2月以降、日本でもウクライナ情勢がしきりに取りざたされている。同時に、渋谷などの繁華街では反戦デモが行われたが、その中にはウクライナ人だけでなく日本人支援者の姿もあった。  そんな反戦デモに参加していた、鈴木幸子さん、みゆきさん、くにえさんの3人に、活動する意図を聞いた。自国のことでもデモ活動をするハードルが高い日本だが、自らも家庭や仕事のある彼女たちは、どのようなきっかけで支援活動に参加したのだろうか。 鈴木さん:私たちが長年趣味で習っているダンスの先生がウクライナの方で、『2月26日のデモに行きませんか』と誘われて初めて参加しました。私はデモ活動を直接支援して、メディアとウクライナの方を取り次いだり、チャリティイベントの企画をしたりしています。 みゆきさん:私はお二人ほど積極的に活動しているわけではないのですが、取材対応のお手伝いで、休日にレッスン風景の撮影に参加しています。 くにえさん:私はチャリティ用のグッズを製作して、住んでいる団地に来るキッチンカーに置かせてもらったり、5月には市のバザーに出品したりといった支援活動をしています。

渋谷でデモ活動を手伝う鈴木さん(写真中央)

ベリーダンス、ジャズダンスなどを教えるウクライナ人のダンス講師とみゆきさん、くにえさん

SNSへの投稿には気を遣う

 集まった支援金は直接ウクライナの街に送金し、街を守るために立哨する保安員が暖をとれるようにストーブなどを購入資金に充てられたそうだ。また、そのほかにも大量の難民受け入れで物資不足と物価高になったポーランドにむけて、難民を受け入れた個人宅やポーランドからウクライナに輸送される物資の提供支援に重点を置いているという。  今は支援した人たちのリアクションがSNSですぐに返ってくる時代だ。動画や写真で感謝の気持ちを示してくれる人もいるという。 鈴木さん:ただ、今はこうしたウクライナ側からの動画や写真をSNSにアップするにも、すごく気を遣っています。今、ウクライナの街の上空には爆撃機が旋回しているらしく、人がいる場所を探しているそうなんです。場所を特定されないように、何度も確認しながら慎重に広報している状況です。  高度に情報化された現代社会での支援活動はデリケートだ。支援のための情報が、ロシア軍側を益することにもなりかねない。
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「もう母国には帰れないかもしれない」
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