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「殺された民間人の中には赤ん坊も」在日ミャンマー人の切実な叫び

民主主義を求めて一丸に

 台風一過の10月2日。秋口とは思えない陽光に照りつけられ、JR新宿駅南口も汗が滲み出るような暑さに見舞われた。緊急事態宣言が解除されたばかりの駅前は人通りも多く、衆議院選挙を控えた選挙活動や、市民団体のビラ配りなども散見される。そんな喧噪の中、ひと際目を引く若者たちの一団があった。 「ご通行の皆さん、こんにちは。私たちは日本に住むミャンマー人です」 「軍事クーデターを受け、私たちは日本の人たちの助けを必要としています。避難民の人たちを助けるため、1円でも構いませんので寄付をお願いできないでしょうか」

募金を呼びかけるメンバー。中高年を中心に立ち止まる日本人も少なくない

クーデターを受け制作された楽曲『血の掟』を歌うメンバー。「国のためなら 命をかけて」とある歌詞には、民主主義を求めて一丸となろうというメッセージが込められている

マスクや手袋を着用し、感染予防対策は徹底する

 この募金活動を企画したのは「ビルマ民主化同盟」と「Mynmar Global Support Foudation」という2つの団体だった。日本でのミャンマー報道が下火になってきているなか、彼らは何を思うのか。それぞれの代表に話を聞いた。

豊富な活動歴とアートの力を活かす

「ビルマ民主化同盟」の代表を務めるのは、アウン・トウン・リンさん(44)だ。彼さは日本で飲食店を経営しつつ、ビルマ民主化同盟の代表を務めている。ミャンマーでは芸術系の学生で、アートを用いた民主化活動をしていた。「(要注意人物の)リストに入っているんじゃないかと思いますね」とご本人。身に危険を感じたのもあり、日本に移り住んできたのが16年ほど前だという。活動歴は古く、10年以上前から団体の中核を担ってきた。

ビルマ民主化同盟代表のアウン・トウン・リンさん(44)

「ミャンマーでは今、死亡者も逮捕者も数えきれないほど出ていて、殺された人の中には赤ん坊も含まれています。軍に捕まって行方不明になったり、翌日にそのまま亡くなったという人もいる。これが一番怖いですね」  彼の関心は今、日本のミャンマー大使館に注がれている。5月にはクーデターに抗議したミャンマー人外交官2人が解任される事態があり、大使や職員が何を考えどう行動しているかわからない状況だというのだ。 「今はこうした募金活動を中心に、大使館前でのデモも毎日しています。今後、10月24~31日までは日本のジャーナリストやアーティストの方と連携して、展示型の活動も予定しているんです」  日本の報道が下火になっていることについては「新しいニュースが更新されていくのは仕方ないです。確かにニュースで取り上げられることは少なくなりましたが、こうして活動していると日本人の方の関心が決して薄くないことがわかります」と力強く語る。  今後も自分の得意分野を活かし、精力的に活動していくようだ。
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国民統一政府の承認とODAの中止を訴える
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