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“粗品の呪い”は本当に存在したのか。元競馬誌編集長が5つのレースで分析する

渾身の単勝99万9900円も…

2022年 ダービー ダノンベルーガ (1番人気4着)  人気は皐月賞の上位4頭に集中。粗品氏が◎に抜擢したのは、皐月賞4着からの巻き返しを狙うダノンベルーガでした。皐月賞で4着に敗れていたのにもかかわらず、このダービーでは1番人気。というのも、ダノンベルーガは元々右回りに不安があり、左回りの東京コースに戻って、巻き返し必至と考えられていたのです。本命候補として、ダノンベルーガの他に皐月賞2着のイクイノックスがいましたが、同馬は大外18番枠。枠順の差が、ダノンベルーガ本命の決め手となりました。  レースは皐月賞で◎にしたデシエルトが速い流れで引っ張ります。有力馬はこぞって後方に控えると、直線では人気馬同士の激しい追い比べに。外から抜け出したドウデュースとイクイノックスの叩き合いはドウデュースに軍配が上がりました。ダノンベルーガは内から懸命に差を詰めるも4着まで。  粗品氏の展開想定はほぼ完璧に的中。ただただ、ダノンベルーガが伸びなかったのです。粗品氏が賭けたダノンベルーガの単勝馬券99万9900円は儚くも紙くずとなりました。

実は相当、馬券術への造詣が深い?

 競馬業界には、「○○の本命は消し」といった逆神ネタは、古くから存在しています。ただ、その人たちの予想をよく見てみると、狙って外しにいっているように見受けられることも。キャラ作りのために、人気薄ばかり狙っていたり、敢えて不安要素のある馬を選んでいたりするわけです。  一方、粗品氏の場合、選んでいる馬もその根拠もけっして悪くありません。相当、馬券的な知識は深いと推察します。  今春の連敗は不運であり下ブレとしか言いようがないのですが、それを人によっては“呪い”と呼ぶのでしょう。とはいえ、これだけ世間の話題をさらっているわけですから、それは不運というよりも、粗品氏が芸人として「持っている」ことの証左なのかもしれません。  安田記念の的中を契機に、「当たる人」へキャラ変するのか、それとも何事も無かったかのように、呪いが復活するのか?  連敗は止まったとはいえ、やっぱり今後も粗品氏の予想からは目が離せません。 文/松山崇
馬券攻略誌『競馬王』の元編集長。現在はフリーの編集者・ライターとして「競馬を一生楽しむ」ためのコンテンツ作りに勤しんでいる。
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