仕事

ラブドールの売上がコロナ禍で急増。オリエント工業が語る、人と会えなくなる中で“求められたもの”

ドールの「声」に対する想い

オリエント工業リアリティにこだわる同社だが、一方で、これまで頑なに「つけてこなかった」機能もある。「会話」だ。ドールは喋らないからこそ、無条件で全て受け止めてくれるという安心感が得られるわけだが、会話機能を求める声は案外多いという。 大澤氏が、同社創業者で代表である土屋日出夫氏の考え方と、自身の率直な想いを話す。 「声を出せるようにすると、イメージが限定されてしまう。代表は、その部分は想像で補ってもらうものだという考えなんです。ただ、自分なんかは世代も違いますし、例えばSiriのような機能くらいはあってもいいのかなとは思っています」  お客様に喜んでもらえるものを作っていくという姿勢さえブレなかったら、考え方は柔軟でいいというスタンスだ。

今後の展望「多様性」と「世界展開」の可能性

オリエント工業「喜んでくださっている声を聞けば、『自分がここにいる意味があるんだ』と嬉しくなる」という大澤氏に、今後の展望について尋ねると、「うちの力でできることは限られている。例えばロボットやAIなど、どこかと協業という形で新たな可能性が生まれるんだったら、そういうものにもトライしていきたい」と“進化”に貪欲な姿勢を見せる。  小澤氏は、また別軸での挑戦を口にする。 「まずは服やジュエリー、靴なんかをもっともっとデザインしてあげたいし、多様性を広げたいですね。もう誰もが思っているかもしれないけど、『なんで女の子しかいないんだ』と。あとは、海外進出です。この子たちの素敵さを、もっと海外の人にわかってもらえるように、Japan Expoに出るとかね。もっと世界に展開していきたい。それが俺の夢ですね」(小澤氏) 取材・文/吉河未布 撮影/渡辺秀之
大阪府出身。大学卒業後、会社員を経てライターに。エンタメ系での著名人インタビューをメインに、企業/人物の取材記事も執筆。トレンドや話題の“裏側”が気になる。『withnews』で“ネットのよこみち”執筆中。Twitter:@Yoshikawa_Miho_
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