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「子供は公園でボールを使うな」“子育てしにくい”日本の空気感は変えられるのか

マイノリティ化する子育て世帯。なぜ少子化は止まらないのか?

 
少子化

写真はイメージ

 厚生労働省は「2022年の1月から9月の出生数が59万9000人あまりである」と発表し、年間では初めて80万人を下回る可能性が浮上した。少子高齢化は以前から問題視されていたが、改善されるどころか、ますます少子化が加速しかねない。    その結果、子育て世帯がマイノリティ化してしまい、ますます子ども、子育て世帯への風当たりが強くなるのではないだろうか。 訪問型病児保育、障害児保育などの保育事業をはじめ、子育て支援事業や政策提言を行っている認定NPO法人フローレンスで会長を務める駒崎弘樹氏に、少子化が止まらない原因など話を聞いた。  

3つの原因とは?

   まず、日本が少子化となっている原因について「いろいろな要因が挙げられますが、大きく3つを紹介します」と解説。   「1つ目は予算。日本は子どもやひとり親を対象とした現金給付、産前産後の休業補償、保育・幼児教育や児童養護をはじめとした現物給付など、家族に関する支出『家族関連支出』が、対GDP比で諸外国と比較して圧倒的に低いです。例えば、待機児童が一時期問題視されていたように、政府がケチっているために、子どもを安心して産み、育てる環境が整備されていないのです。    2つ目がジェンダーギャップ。男性と比較した場合、諸外国でも女性が家事育児に携わる時間は多いですが、その差は2倍前後。一方、日本ではその差は5倍以上です。 “家事育児は女性がするもの”というジェンダー観が日本は依然として根強く、これでは女性が『子どもがほしい』とは思えません。    2022年7月に発表された『ジェンダー・ギャップ指数2022』によると、日本は146カ国中116位。こちらも先進国の中では最低レベルです」
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少子化が加速する理由の3つ目は…
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