更新日:2023年01月04日 15:26
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オーストリア、新年のラッキーアイテムは「四つ葉」「テントウムシ」になぜか「豚」

 クリスマスとお正月。2大ビックイベントが重なる年末年始ですが、海外ではどんな盛り上がりを見せるのでしょう? 海外在住ライターたちに各地の様子をリレー連載でリポートしてもらいます。今回は音楽の都オーストリアのウィーンからです!

オーストリアの年末年始事情

案内看板

市内に出ている大晦日イベントの案内看板。どこで何をしているのかが分かる

 オーストリアの年末年始の休みは、カレンダー上は1月1日のみ。クリスマスは24日の午前中仕事をして、午後から休みになる会社も多い。続く25・26日がクリスマスの祝日となる。そこから続けて年明けまで休みを取る人も多いが、クリスマス明けに通常通り仕事に行く人でも大晦日は午前中のみ勤務なのが一般的だ。そして1日のみ祝日で2日からは通常勤務に戻る会社が多い。就学年齢の子供がいる家庭では、学校が年明け第2週目まで冬休みなので、続けて有休を取り旅行に行く家庭も多い。  オーストリアでは残念ながら、日本のように祝日が週末に重なっても振替休日にはならない。2022年は12月24日が土曜日なので、26日までの月曜日が多くの所で休みになる。2023年1月1日も日曜日に重なっているため、有休を取らなければ今回の年末年始の休みは12月31日の土曜日と1月1日の日曜日のみとなり、結果、普通の週末と変わらなくなってしまう。少し先になるが、1月6日は「三賢人祭」という祝日なので、年明け2回目の週末は3連休となるのがせめてもの救いだ。

クリスマスは「家族」、大晦日は「友人」と

 カトリックが浸透している国なので、クリスマスが1年で1番大切な時期となり、家族が集まってお祝いする。地方から来ている人たちもクリスマスには地元に帰省し、家族と一緒にクリスマスを祝うのが一般的だ。その後は前述のように通常勤務となるので、有休を取らない限りそれぞれの生活に戻る。  そして大晦日には友人達とカウントダウンを祝う事が多い。レストランなどで開催されているカウントダウンパーティーに参加したり、友人宅に集まってみんなでカウントダウンをして賑やかに新年を迎える。ほとんどの場合、ディナー前後に集まってみんなでワイワイと食べたり飲んだりしながら真夜中になるのを待っているので、カウントダウンが終わって落ち着くとパーティーはお開きになる。  カウントダウンをさらに盛り上げるのが花火だ。年末が近づくとお店には花火のセットが並ぶのだが、日本の風情ある花火ではなく、お祝いを盛り上げるために使う花火なので遠くまで飛んだり、爆竹のような大きな音が出るものが多い。住宅街や人込みでも使われるので、これが結構危ないし、小さな子供やペットなどがいる家庭にはかなり迷惑になるほどの音が出る。  大晦日の夕方ごろから少しずつ音が聞こえ始め、ピークは真夜中、年が明けた時だ。マンションの屋上など、市内でも空に向かって打ちあげる人が多く、高い所から見渡すと街中で花火が上がっているのがわかる。市内どこにいても花火の音が鳴り響いているのだ。
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年越しライブで盛り上がり、ワルツで優雅に舞踏会
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2004年よりウィーン在住。うち3年ほどカナダ・オタワにも住む。長年の海外生活と旅行会社勤務などの経験を活かし、2007年よりフォトライターとしても多数の媒体に執筆、写真提供している。著書に『カフェのドイツ語』(三修社)、『芸術とカフェの街 オーストリア・ウィーンへ』(イカロス出版)など。世界100ヵ国以上の現地在住日本人ライターの組織「海外書き人クラブ」会員。
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