更新日:2023年01月04日 15:26
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オーストリア、新年のラッキーアイテムは「四つ葉」「テントウムシ」になぜか「豚」

年越しライブで盛り上がり、ワルツで優雅に舞踏会

カウントダウンイベント

市庁舎前広場でのカウントダウンイベント。ステージが設置されて大勢の人が集まっている

 世界遺産である旧市街地では、シュテファン大聖堂の横と市庁舎前にカウントダウンのイベント用のステージが設置され、数時間に渡る音楽プログラムが組まれる。夜中が近づくに連れ市内の人出は多くなり、真夜中になる頃には人込みで身動きが取れなくなるほど。ステージ上でイベントを進行する人がいるので、みんなで合わせてカウントダウンするのはとても盛り上がる。  そして年が明けると共に街中で花火が上がり、市庁舎前ではヨハン・シュトラウスのワルツが流れて、人々が踊りだすのはさすがウィーン!という年越しの雰囲気が楽しめる。  11月中旬から、ウィーン市内の多くの場所でクリスマスマーケットが開催されるのだが、市庁舎前やシェーンブルン宮殿などそのうちのいくつかの場所では、クリスマスが過ぎてもニューイヤーマーケットとして引き続き開催されている。食べ物や飲み物、そして雑貨、装飾品などが売られる屋台が並び、地元の人や観光客など多くの人が訪れる。

音楽の都ならではの多くの音楽プログラム

楽友協会

ニューイヤーコンサート会場、楽友協会

 音楽の都として知られるオーストリアの首都ウィーンでは、年末年始も例外なく様々な恒例音楽プログラムがある。その代表的なものは楽友協会で開催されるニューイヤーコンサート。ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団が拠点とする黄金のホールで開催され、世界90か国以上に同時中継されるので、ご存じの方も多いだろう。  ニューイヤーコンサートは元旦の11時開始だが、実は12月30日、31日にも同じプログラム、同じ場所でコンサートが開催されている。指揮者はウィーンフィルの指名により毎年変わるのが今では通例となっているが、毎年コンサートが終わると次の年の指揮者が発表される。2023年の指揮者はフランツ・ウェルザー=メスト氏。2010年、2013年に続き、3回目となるニューイヤーコンサートの指揮を務める。  国立オペラ座のお決まりの演目は、ヨハン・シュトラウスの「こうもり」。大晦日に上演されるのが定番となっていて、昼と夜の2回ずつ上演されるが、チケットは発売と同時に完売になるほどの人気だ。大晦日だけではなく、1月上旬に続けて更に数回上演される。  フォルクスオペラはシーズンを通して上演されているが、やはり大晦日の昼と夜の演目は同じく「こうもり」だ。他の場所でも大晦日コンサートや、大晦日の舞踏会など毎年恒例の音楽・文化イベントが開催される。
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年末年始の挨拶、伝統的な食べ物と占い
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2004年よりウィーン在住。うち3年ほどカナダ・オタワにも住む。長年の海外生活と旅行会社勤務などの経験を活かし、2007年よりフォトライターとしても多数の媒体に執筆、写真提供している。著書に『カフェのドイツ語』(三修社)、『芸術とカフェの街 オーストリア・ウィーンへ』(イカロス出版)など。世界100ヵ国以上の現地在住日本人ライターの組織「海外書き人クラブ」会員。
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