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本田圭佑の「両手に腕時計」を“アリ”に。伝説のスタイリストが語る「第一印象の大切さ」

『POPEYE』時代に磨かれたスタイリング力

「ファッションは引き算とバランスが大事であり、その辺りの見極めを非常に大切にしています」  こうしたスタイリングのセンスは、「POPEYEに携わっていた頃に磨かれた」と当時を振り返る。 「POPEYEの頃から松任谷さんのスタイリストを担当していましたが、松任谷さんはあまのじゃくな人なので、おしゃれでトレンドを抑えている服を持っていても、着てくれなかったんですよ。自信を持って提案した服でも跳ね返されることが多くあったので、『どうやったら松任谷さんに着てもらえるか』を考えていたことで、自然とセンスが磨かれたのかもしれません」

平日はスタイリスト。週末はバリスタの悠々自適な生活

近藤昌

千葉県一宮町に週末の土日だけオープンする「STREAMER FIELDPOST」でバリスタを務める近藤さん

 現在、近藤さんは東京から100km離れた千葉の一宮町と都内の二拠点生活(デュアルライフ)を送っている。平日は東京で活動し、週末はコーヒーを入れるバリスタとしてカフェを経営するなど、自由闊達なライフスタイルを過ごしているそうだ。 「一宮町に住まいを構えているのは、田舎の空気や水、土などに触れ、自然を味わうことで生き方に余裕が生まれるから。東京にいると、つい仕事モードのスイッチが入り、時間に悩殺されがちですが、心安らぐのどかな場所に行くとストレスから解放され、人に優しくできるようになります。思うに、東京がメタバース世界で、地方が人間本来のリアルな生活を体感できると感じていて、もっと多くの人に自然と触れ合うライフスタイルを実践してほしいなと。そんな風に感じています。  心身ともに充実した生活をベースに、今年はスタイリストの仕事以外にも注力したいと思っています。そのうちのひとつが、『The Wave』という新たなお店にクリエイティブプロデューサーとしてプロジェクトに関わっていること。かつてのTOOL’S BARのように人と人が交錯する社交の場として盛り上げていければと思っています」 時代がどんなに変わろうとも、近藤さんの審美眼はその本質を捉えるに違いないだろう。 <取材・文・撮影/古田島大介>
1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている
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