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本田圭佑はなぜ2部リーグの降格チームに残留したのか?

いまの仕事楽しい?……ビジネスだけで成功しても不満が残る。自己啓発を延々と学ぶだけでは現実が変わらない。自分も満足して他人にも喜ばれる仕事をつくる「魂が燃えるメモ」とは何か? そのヒントをつづる連載第200回 サッカー サッカー選手の本田圭佑は小学校の卒業文集で「世界一のサッカー選手になる」「ヨーロッパのセリエAに入団する」と宣言しています。そして実際にセリエAのACミランに所属するまでに、Jリーグ、オランダ1部リーグ、ロシア1部リーグでキャリアを積みました。  しかし、彼はただキャリア重視でクラブチームを転々としていたのではありません。オランダのVVVフェンロに所属した際、一度チームが2部に降格したことがありました。この時、本田は「まさか、自分のキャリアで2部でやるなんて」と考えたものの、結局移籍せずに残留しました。そして次のシーズンでチームを再昇格させて、自身もMVPに選ばれました。  スポーツ選手であれば、「できるだけレベルの高いチームでプレーしたい」と考えるのは当然です。しかし時として、本田のようにその場に留まる決断をすることもあります。そして、その決断の材料はメリットや効率や合理性だけではありません。  決断には常に「人物の影響」があります。『あの時、あの人が、ああ言ったから。だから自分はこうするんだ』ということがあって、人は何かを決断します。本田の残留の決断には、幼稚園の頃から友人だった中井宗太の影響があります。  中井は小学生の頃、本田と一緒に摂津FCというサッカークラブに参加していました。それがある日、本田から「レベルの高い吹田千里FCに移籍しよう」という相談を持ちかけられました。  この時、中井は次のように答えました。「今一緒にやっている面子で強くなっていかないと意味ないやん」「うまい奴がおって、そこに行って自分がうまくなるって、カッコええんか」【『実現の条件 本田圭佑のルーツとは』(東邦出版)より引用】  中井にそう諭された本田は摂津FCに留まりました。この子供の頃の体験とVVVフェンロ残留には重なるものがあります。VVVフェンロ残留の決断には、浦和レッズが本田獲得に乗り出すなど、小学生の頃よりも複雑な事情がありました。しかし、結局選んだのは「今一緒にやっている面子で強くなる」だったのです。
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子供の頃の体験がその後の人生を決定づける
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コーチャー。自己啓発とビジネスを結びつける階層性コーチングを提唱。カイロプラクティック治療院のオーナー、中古車販売店の専務、障害者スポーツ「ボッチャ」の事務局長、心臓外科の部長など、さまざまな業種にクライアントを持つ。現在はコーチング業の傍ら、オンラインサロンを運営中。ブログ「星を辿る」。著書『人生を変えるマインドレコーディング』(扶桑社)が発売中

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