更新日:2023年04月13日 12:27
お金

飲食チェーンの“倒産ドミノ”が止まらない。「協力金バブル」で分かれた明暗

アルバイトの時給は100円上昇したが…

 店舗の運営コスト上昇も頭の痛い問題。2021年から輸入食肉の価格が高騰し、ミートショックと呼ばれました。卸価格は2021年1月の1キロ687円から2022年1月には1047円まで上昇しました。エネルギー価格高騰によって光熱費も上がっています。  リクルートによると、2023年2月のアルバイトの時給は1142円。2019年2月は1046円でした。100円近く上昇しています。  働き手の不足にも悩んでいます。飲食店は大学生のアルバイトに支えられていましたが、売り手有利な市場が加速したことにより、学生は条件の良い職場を選びます。飲食店は時給を引き上げて働く魅力を高める他ありません。  客数の減少とコスト高で繁華街の居酒屋を中心に苦戦は続くでしょう。

急増する「ゼロゼロ融資後の倒産」

 コロナ禍で飲食店を救済したものが協力金以外にもあります。金融機関による無担保融資制度のいわゆるゼロゼロ融資です。ゼロゼロ融資は2020年に始まり、2022年に終了しました。この融資の返済は2022年12月末以降に開始する事業者が大半と言われています。利益が出づらい状況の中で、キャッシュフローが更に悪化する懸念があるのです。  帝国データバンクはゼロゼロ融資の調査を行っています。ゼロゼロ融資をはじめとしたコロナ融資を受けた後に倒産した企業は、2022年に発生しただけで384件。前年の2.3倍に達しました。  融資を受けた企業180社の1社当たりの平均借入額は5900万円。政府系金融機関だけでなく、銀行や信用金庫など複数の金融機関から借り入れた会社の倒産が目立つといいます。
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手厚すぎる支援は“ゾンビ化”をもたらす
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フリーライター。大企業から中小企業まで幅広く経営支援を行った経験を活かし、経済や金融に関連する記事を執筆中。得意領域は外食、ホテル、映画・ゲームなどエンターテインメント業界
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