更新日:2023年12月22日 21:06
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「中敷きをすすめる靴屋」で買ってはいけない。サイズ調整の99%を解決する方法とは

靴ずれには中敷きではなくタンパッドを使え

ローファーもスリッポンも、ベロがぺらぺらに薄いものが多く、その裏からタンパッドを貼るだけで、ベロがスニーカー並みにふかふかになり、しっかり甲をおさえて足が固定され、靴ずれがなくなります。 この「甲をおさえる」というのがコツで、どんな靴でも必ず「甲」でおさえて履いています。テコの原理で甲さえおさえることができれば、足首もつま先も手品のようにフィットします。 なかでも、スニーカーや革靴で「紐を最後にぎゅっと締める部分」、シューフィッターの中では「インステップポイント」と呼ばれる足の甲の一番高い箇所をしっかりおさえることが重要です。
タンパッド01

筆者私物のタンパッド

タンパッドは、百貨店の靴売り場や東急ハンズなどで400円~1500円程度で売られています。しかしながら、まず誰も存在を知りません。お客さんはもちろん、かなりの確率で販売員も知りません。 タンパッドの使いかたは至って簡単で、化粧のパフみたいにやわらかいクッションをベロの裏に貼るだけ。作業時間は両足で1分もかかりません。どこのメーカーのタンパッドも両面テープがついているので、位置を決めて貼って終わりです。ネットなどで買っても簡単に自分で貼れます。
タンパッド02

コロンブスのフットソリューション甲用パッド。写真は公式HPより

防水スプレーの「アメダス」で有名な国産のコロンブス社から販売されているタンパッドは、材料はシンプルでフェルトが使われています。見た目はただの白いフェルトですが、ベロの裏に貼るので外からはまったく見えません。 タンパッド03もう少し高級なものになるとスポンジをスエードでくるんだ独・ペダック社の「スープラ」というモデルがあります。天然スエードなのでグリップが効いて、より足が前にいきづらくなっています。高級モデルとはいってもたかだか1500円程度なので、中敷きと比べてもそれほど手痛い出費ではありませんので、個人的にはスープラを推しています。 余談ですが、タンパッドの理屈と見た目を知って「自分でつくれるでしょ」と思ったら、ぜひトライしてみてください。こんな簡単なモノなのに、たいてい失敗します。 足の甲の部分は、男女も年齢も問わず、皮下脂肪も皮膚もうすくて繊細です。足の「裏」は人体の皮膚の中でもっとも厚い部分のひとつで3~5㎜ありますが、「表」である甲の部分はたったの1㎜前後。なので、インソールを切り抜いたものや、化粧用のパフ、100均のフェルトなどで自作しても、足を入れた瞬間もう違和感と痛みが襲ってくるはずです。メーカーのきちんとした既製品を購入することをおすすめします。
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中敷きを使うデメリットとは?
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こまつ(本名・佐藤靖青〈さとうせいしょう〉)。イギリスのノーサンプトンで靴を学び、20代で靴の設計、30代からリペアの世界へ。現在「全国どこでもシューフィッター」として活動中。YouTube『シューフィッターこまつ 足と靴のスペシャリスト』。靴のブログを毎日書いてます。「毎日靴ブログ@こまつ

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