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“中学時代の謎の風習”は、おっさんたちが必ず盛り上がる鉄板トークだった

こうやって奇妙な風習はできあがっていくのだ

 中学の持つ閉鎖性が奇妙な風習を作り出しているんじゃないだろうか、冒頭でそう述べた。  おそらくではあるけれど、最初にやや奇妙な風習が生まれ、事件の経過と共にその抜け道みたいなものが発案され、それを防ぐために新たな奇妙な風習ができるのではないだろうか。  無言清掃にしても、最初こそは謝罪行脚などなかったのではないだろうか。ただ、無言を破っても特に罰がないので別になんてことはないと誰かが気付いてしまい、それを防ぐために謝罪行脚という奇妙な風習が生まれたのだろう。風習は風習を生むのだ。 「いやあ、それにしても僕たち、複数候補がある中からエピソードを披露する場合、かならずウンコ関連のエピソードを出しますね。今日のエピソード、ぜんぶウンコですよ」 「まあ、ウンコから入るよな」 「ウンコは鉄板だからな、あとから出してきたら何してんの先に出さなきゃって感じになる」  中学校と同じように、我々おっさんグループもかなり閉鎖的なので、「ウンコエピソードから率先して披露する」という謎の風習が形成されつつあった。こうやって奇妙な風習ができあがっていくのだろう。 「ちょっとトイレ行ってくるわ」 「ウンコしていいんだぞ」 「でた、ウンコ赦しの儀式だ」 「キンピラ食ったから出ないわ」 「ゲハハハハハ」  中学時代の謎の風習について語り合う会、本当におっさんの間では盛り上がるので是非ともやってみてほしい。 <ロゴ/薊>
テキストサイト管理人。初代管理サイト「Numeri」で発表した悪質業者や援助交際女子高生と対峙する「対決シリーズ」が話題となり、以降さまざまな媒体に寄稿。発表する記事のほとんどで伝説的バズを生み出す。本連載と同名の処女作「おっさんは二度死ぬ」(扶桑社刊)が発売中。3月28日に、自身の文章術を綴った「文章で伝えるときにいちばん大切なものは、感情である 読みたくなる文章の書き方29の掟(アスコム)」が発売。twitter(@pato_numeri

pato「おっさんは二度死ぬ」

“全てのおっさんは、いつか二度死ぬ。それは避けようのないことだ"――

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