更新日:2023年06月09日 19:45
お金

朝日新聞の苦しい懐事情。“平均年収1千万”「人件費削減」は成功したのか

平均年収は1100万円

 2022年3月期の有価証券報告書によると、朝日新聞社の本社に勤務する従業員の平均年間給与は1100万円、従業員数は3619人となっています。朝日新聞と言えば国民的なメディアの一つであり、文系の学生にとって憧れの会社の一つ。エリートが集まっています。  しかし、消費者のメディア離れは深刻。2022年3月期の朝刊は8%、夕刊は10%近いペースで減少しています。  朝日新聞は、全国から優秀な人材を集め、どれだけ良質なニュースを配信したとしても、それが収益に結びつかないという難局に立たされました。

Webメディア出身者を編集長に迎えるが…

 巻き返しのカギを握っているのがWebメディア。2021年4月に朝日新聞デジタルの編集長に伊藤大地氏が就任しました。伊藤氏はBuzzFeed Japanの副編集長を務めるなど、Webメディアのプロフェッショナルです。本紙の出身者がデジタルの編集長を務めるという常識を覆しました。  それだけ、経営陣はデジタルのテコ入れが喫緊の課題だと認識しているのでしょう。しかし、就任後も朝日新聞社の減収は続いており、目覚ましい成果が出ていません。  中期的に増収へと転じることができない限り、赤字とリストラが繰り返される悲惨な結末を迎えることにもなりかねません。 <TEXT/中小企業コンサルタント 不破聡>
フリーライター。大企業から中小企業まで幅広く経営支援を行った経験を活かし、経済や金融に関連する記事を執筆中。得意領域は外食、ホテル、映画・ゲームなどエンターテインメント業界
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