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定価175万円のデイトナを400万円超で売却。転売ヤーが群がる「ロレックスマラソン」の損得をプロが解説

転売ヤーがいなくならない理由

ロレックスデイトナ116500LN(白文字盤)

ロレックスデイトナ116500LN(白文字盤)

 さて、仮に転売ヤーが、1日2時間費やしてデイトナを見つけたとしましょう。半年かけたならば、時給はいくらぐらいになるでしょう。デイトナ(116500LN白文字盤)の中古相場は現在427万円~といった状態である一方、定価は約175万円。中古相場対定価の差は270万円ということになります。  あえて中古最安値=買取価格とするならば、今、デイトナを正規店で見つけてすぐに売った場合、270万円ほどの利益が出るということになります。そうなると、1日2時間ほどデイトナマラソンに費やし、半年で巡り会えたならば、その時給は約7400円となるわけです。また、1年かけたとしても、その時給は約3700円。これをバイトと捉えたならば、割が良い仕事ということになります。  これを見てわかるように、「ロレックスマラソン」はバイトと捉えると“割が良い”という側面があるわけで、転売ヤーが目をつけるのは当然だといえます。また、ロレックス正規店に行き「デイトナある?」と聞くだけなので参入障壁も高くありません。そういった意味では、“自分用の腕時計として買うわけではない人”がロレックスマラソンに参加する数は今よりももっと増える可能性があります。

欲しい人はプレミア価格でも買って良い

 だからこそ私は、多数のライバルが存在する「ロレックスマラソン」をするぐらいなら、自分用に欲しい人は、プレミア価格の中古品を買ったほうが良いと思うのです。  そして、プレミア価格状態の中古品を買うということは、金銭的な観点からも「あり」だといえます。  定価を上回っている状態で買うというのは「割高」という印象になるかと思います。  しかし、過去の中古相場を追っていくと、その時点で「割高」と思った価格で買ったとしても、その後値上がりするという可能性があるわけです。
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デイトナの価格推移を公開
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1986年生まれ。日本初の腕時計投資家として、「腕時計投資新聞」で執筆。母方の祖父はチャコット創業者、父は医者という裕福な家庭に生まれるが幼少期に両親が離婚。中学1年生の頃より、企業のホームページ作成業務を個人で請負い収入を得る。それを元手に高級腕時計を購入。その頃、買った値段より高く売る腕時計投資を考案し、時計の売買で資金を増やしていく。高校卒業後は就職、5年間の社会人経験を経てから筑波大学情報学群情報メディア創成学類に入学。お金を使わず贅沢する「ドケチ快適」のプロ。腕時計は買った値段より高く売却、ロールスロイスは実質10万円で購入。著書に『腕時計投資のすすめ』(イカロス出版)と『もう新品は買うな!』がある

もう新品は買うな!もう新品は買うな!

もう大量消費、大量生産で無駄遣いをするのはやめよう


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