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定価175万円のデイトナを400万円超で売却。転売ヤーが群がる「ロレックスマラソン」の損得をプロが解説

値上がりしなさそうだから買わないのか?

 2021年4月から現在までにかけて116500LNは、「値上がり」「値下がり」を繰り返しており、結果的に2年以上に渡って440万円前後という水準が続いています。  なぜ、こういった状態になっているかというと、第1の理由しては、2021年4月に116500LNは生産終了の噂がたって「急上昇」となった反面、当時は生産終了とはならず相場が落ち着いたから。そして第2の理由は、2022年春に全体的な中古腕時計相場が「急上昇」となった後、今にかけて値下がりトレンドが続いているからです。そういったことゆえに2021年4月以降、116500LNの中古相場は、結果的に大きく変わっていないことになっているわけです。  なお、今年116500LNは本当に生産終了となっていますが、それから今にかけて大きな相場変動はしていません。生産終了になると、値上がりするロレックスは珍しくありませんが、不思議と116500LNは動く様子がないのです。  つまり、116500LNの今の状態は「上昇しそう」というというわけではありません。しかし、こういった「上昇しそうにない」という状況は以前にも多々あったため、自分用として本当に欲しい人は、それでも買ってしまって良いと思うわけです。  もちろん、116500LNの未来の相場はわからないため、下落することだってありえます。とはいえ、腕時計の残価率はクルマとは雲泥の差。リーマン・ショック時に大暴落したロレックスミルガウスの116400GVですら、当時の残価率は約41%という数値。最終的にはほぼ0円(残価率が0に近い)となってしまう、クルマの価値と比べると、腕時計は圧倒的に価値が残るといえます。また、現在の116400GVの中古相場は約110万円~となっており、2008年末の暴落した相場である約65万円と比べると、かなり回復しているのです。  このように、腕時計は他の消費財と異なり、「値下がり」も「値上がり」もするわけです。  そういった意味で、自分用として欲しい腕時計があるならば、マラソンなんてせず、割高感があったとしても「売っているモノ」を買えば良いと思うわけです。
1986年生まれ。日本初の腕時計投資家として、「腕時計投資新聞」で執筆。母方の祖父はチャコット創業者、父は医者という裕福な家庭に生まれるが幼少期に両親が離婚。中学1年生の頃より、企業のホームページ作成業務を個人で請負い収入を得る。それを元手に高級腕時計を購入。その頃、買った値段より高く売る腕時計投資を考案し、時計の売買で資金を増やしていく。高校卒業後は就職、5年間の社会人経験を経てから筑波大学情報学群情報メディア創成学類に入学。お金を使わず贅沢する「ドケチ快適」のプロ。腕時計は買った値段より高く売却、ロールスロイスは実質10万円で購入。著書に『腕時計投資のすすめ』(イカロス出版)と『もう新品は買うな!』がある

もう新品は買うな!もう新品は買うな!

もう大量消費、大量生産で無駄遣いをするのはやめよう

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