更新日:2023年09月08日 06:57
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子供部屋で勉強するのは日本だけ…一級建築士が指摘する「日本の子供部屋がネガティブな影響を及ぼす」理由

大人になっていたとしても遅くはない

 既に大人になっている場合、「もう遅い」と感じてもおかしくありません。しかし、ちょっと待ってください。なぜなら、人前で話をするのが苦手というのは、本来の資質ではなく単なる癖が引き起こしている可能性が高いわけです。  私は、リハビリをすることでその癖を解消することが出来ると考えています。  実際、私も子供のころは典型的な“日本の子供部屋”で過ごしたため、人前で頭が真っ白になるのは自分に才能が無いからだとずっと勘違いしていました。しかし、本気で改善していくことを決意して動いた結果、変わることが出来ました。  具体的に言うと、オフィスでは休憩エリアでわざと仕事をし、途中で話しかけられたら笑顔で応対する訓練をしました。おかげさまで、今は数百人の前で講演会をしたとしても、頭が真っ白になることは無くなりました。  このように大人になっていたとしても、意識してリハビリを行うことでコンプレックスを改善できる可能性は十分にあります。物は試しでぜひチャレンジしてみましょう。

意外と重要な「リビングでの過ごし方」

 ちなみに子どもがまだ小さい場合におすすめしたいのは、まず家族がいる場所で勉強させること。そして、積極的にリビングでは家族みんなで話をしましょう。  なぜなら、リビングは「子供にとって社会の象徴」だからです。親と同じぐらい年の離れた上司、先輩や後輩、加えて異性との関係性も、子供のころの家族との関わり合いで育まれます。  リビングでTVばかりみて、家庭でほとんど会話がない場合は、将来無口な大人になってしまう可能性が高いです。なぜなら、話題のチョイスの時点で難儀してしまうはずですから。  一方、家族同士でTVの感想を交わしあうような関係性ならば、どの年代とも分け隔てなく溶け込むことが出来るようになります。つまり、リビングをどう使うかによるかで、子供の将来を左右する要素になってくるのです。 ===== “日本の子供部屋”が原因で、人との関わり合いを苦手にし、本来持っている才能を押しつぶしている可能性があることを理解していただけたでしょうか。  才能を活かしつつ、「世の中に関われる大人になれる環境」を作ってあげていきたいですね。 <TEXT/一級建築士 八納啓創>
1970年、神戸市生まれ。一級建築士、株式会社G proportion アーキテクツ代表取締役。「地球と人にやさしい建築を世界に」をテーマに、デザイン性、機能性、省エネ性や空間が人に与える心理的影響をまとめた空間心理学を組み込みながら設計活動を行っている。これまで120件の家や幼保園、福祉施設などの設計に携わってきた。クライアントには、上場会社の経営者やベストセラー作家をはじめ「住む人が幸せになる家」のコンセプトに共感する人が集い、全国で家づくりを展開中
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