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どっちがセンスいい?プロだけが知っている「ポスター広告」の“正しい見方”

 あなたが普段見ているポスターや広告に、実はさまざまなデザインの工夫が施されていることをご存じでしょうか? つまりデザインを見る目を養うことができれば、この世界の見え方が変わるということです。
デザイン

※画像はイメージ

 そんなデザインを見る目を養うテクニックについて、X(Twitter)のフォロワー数38万人超を誇る、デザインを開設する人気メディア「デザイン研究所」@designkenkyujo)の著書『デザインのミカタ 無限の「ひきだし」と「センス」を手に入れる』(KADOKAWA)が発売前重版が決まるなど話題です。  今回は同書より「ポスター広告」に隠された文字デザインのテクニックを紹介します(以下、同書より一部抜粋)。

デザインを“見る”過程を学ぼう

デザイン研究所

デザイン研究所『デザインのミカタ 無限の「ひきだし」と「センス」を手に入れる』(KADOKAWA)

「木を見て森を見ず」という言葉を知っていますか?『広辞苑』によると「一部分や細部に気を取られ全体が見えていない」という意味で使われます。しかし、「見る力」「言語化する力」を習得するには細部を見る力も、全体を見る力も求められます。  つまり、必要なのは「木を見て森を見る」ことです。さらにデザインを見る上では、よりミクロな葉を見る目を持ち合わせた、「葉を見て木を見て森を見て」の力が重要になります。 「葉を見る」とは、対象物の具体的なデザインが、「何がどうなっているのか」の要素を発見すること。「木を見る」とは、具体的なデザインが「なぜそのように作られたのか」根拠を考えること。「森を見る」とは、「いつ・どこで・誰が」などを考えて法則化すること。  作り手ではない以上、解釈は多様にあり、葉を見る、木を見る、森を見るには複数の解答がありえます。着眼点の違いで個性も出ます。以下の例題では、私自身の「見方」を言語化したもので、デザインを見る過程を学んでいただけると嬉しいです。

たくさんのテクニックが使われていると知る

 文字の上に文字を重ねるテクニックだけでも様々な方法が存在するので、どのように文字の上に文字を重ねているか注意深く観察することが重要です。つまり、Howの部分に着目するということです。デザインを見る時は、何が(What)どのように(How)なっているか、一歩踏み込んで観察することで具体的なテクニックを発見することができるのです。  たとえばこちらのチラシデザインは、文字をずらして配置したデザインと、文字をずらしていないデザインの2種類があります。文字をずらすことでどんな効果が生まれているのでしょうか?
チラシデザイン

(1)文字をずらして配置したデザイン

チラシデザイン

(2)文字をずらしていないデザイン

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なぜ文字をずらして配置しているのか?
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デザイナーからノンデザイナーまでに、役立つデザインポイントをわかりやすく解説するメディア。SNS は総フォロワー数47 万人以上を誇り、デザインジャンルでは日本最大級。また、3連休で終わる最速のデザインレッスン「ノンデザッ!」なども主宰している。X(旧Twitter):@designkenkyujo
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