デザイン集団グルーヴィジョンズ代表・伊藤弘氏がこだわった「道具本」の秘密
グルーヴィジョンズというデザイン集団をご存知だろうか? リップスライムやFPMなどのCDパッケージをはじめ、フリーマガジン『Metro min』のアートディレクション、無印良品の広告デザインなど、さまざまなデザインを手がけ、その名前にこそ覚えがなくとも、彼等の手がけたデザインは、誰もが一度は目にしたことがあるはずだ。
そんなグルーヴィジョンズの本『groovisions 100 tools~グルーヴィジョンズの道具大全~』が、扶桑社より出版された。本書は、グルーヴィジョンズの代表を務める伊藤弘氏が、デザイナーとしての視点から、100の道具(モノ)について、独自の哲学を語っている。
伊藤氏の“モノ”紹介記事は、雑誌などでもよく掲載されるが、バイヤーでもない氏が取り上げられる理由は、“実際に使い込んだ上で、善し悪しをジャッジする”点にある。上っ面だけの記事でもなければ、提灯記事でもない、そんな記事だからこそ、多くの人から信頼され、支持されているというわけだ。
◆装丁に特別なこだわりアリ!?
本書で紹介されている道具は、すべて「仕事場」「自宅」「山」「自転車」という4つのジャンルに分類できるという。しかし、章分けされているわけではなく、100の道具がただズラリと並んでいる。一見、読み辛さを感じるが「雑誌を読む時って、パラパラッとめくって、自分の興味のある記事にだけ目を留めたりしますよね。あれと同じ感覚で見て欲しいんです」と伊藤氏は語る。
なるほど、本でありながら、あくまで雑誌なのだ。そのためだろうか、本書には目次や前書きといったものがない。ページを開くと、いきなり道具紹介が始まる。一流デザイナーの考えることは、さすが奥が深い!
「いや、あれはインタビューページが増えてしまって、削れるページをどこかって考えたら、ああいう形になったんです」(伊藤氏)
道具にとって最も大切なのは、機能。どうやら本書も“シンプルに必要なものだけを残す”、そんな考えに基づいて作られているようだ!
なお、本書で紹介された道具の数々は、現在開催中の個展『groovisions firstlight』で展示中。会場は、あの有名なパンケーキ屋「カフェ・カイラ」のあるビルの3F。グルーヴィジョンズのデザイナーさんが、会場で皆さんをお待ちしております! <取材・文/日刊SPA!編集部>
■BOOK INFORMATION
『groovisions 100 tools~グルーヴィジョンズの道具大全~』
価格:1600円(税別)
ページ数:227ページ
■EXHIBITION INFORMATION
『groovisions firstlight』
開催機関:8月23日(日)まで
営業時間:11:00~20:00
会場:EYE OF GYRE / GYRE 3F(東京都渋谷区神宮前5-10-1)
入場料:無料
『groovisions 100 tools ~グルーヴィジョンズの道具大全~』 気鋭のデザイン集団groovisionsが選んだ至極の道具100点! |
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