「経験は栄養」という言葉を信じて失敗も受け止めていく
――では、改めて聞かせてください。本当に結婚には向いてないと思いますか?
美奈子:うーん、どうなんでしょう。あんまり器用な性格じゃないので、やっぱり子供だけに意識が向いてしまって、旦那さんも子供もみんな一緒くたにしちゃってるのかも。本当はもっと旦那さんに頼らなければいけなかったのかなって。あと、連れ子再婚は本当に難しいんだなって痛感しました。前回の結婚のときは、相手に連れ子がたくさんいましたし。
――それは、あの超有名な大家族のことですね。
美奈子:当時、某ダディさんには8人の子供がいて、私には5人。でも、自分の子供のほうが好きだなんてまったく思わなかったし、8人の子供にとってもいいお母さんでいようって必死で頑張ってました。だから今回の連れ子差別発言に対しては、「血ってそこまで重要かな」ってやっぱり思ってしまう。そこは価値観の違いなんでしょうね。
――某ダディさんのお子さんとの関係は円満でしたか?
美奈子:楽しかったしうまくいってると思ってたけど、私が意気込みすぎて相手の子供たちには重荷に感じられてたのかもしれない。私もまだ若くてトゲトゲしてたし、この子たちの寂しさを埋めてあげられる〝お母さん〟になろうと頑張っていた。でも子供たちにとっては生みの親という安心できる場所があるのだから、ウザかったのかも(笑)。こうやって年を重ねて気づくようになりましたね。
――それが、某ダディさんとの離婚の原因ですか?
美奈子:うーん。どうだったのかなぁ。10年以上も前のことなので、本当にそういう肝心なところをよく覚えてないんですよ(笑)。向こうから突然離婚したいって言われて、話し合いながら最終的にそれを受け入れていったという感じです。
――当時は今以上に心ないことを言われたんじゃないですか?
美奈子:当時はネットの掲示板でしたけど、最初の放送直後に検索しちゃって。でも2日でやめました。これを読んでたら「病む」ってわかったので。
――それこそ高視聴率番組でしたし、いろいろ言われますよね。
美奈子:小豆島に移住したときは、直接言いに来る人も結構いました。「お前もっと家事をしろ」って。「やってるわ!」ってさすがに言い返しましたけど。お金と時間をかけて、わざわざフェリーに乗って言いに来るんですから。タクシーの運転手さんもすぐに案内しちゃうし。
――まだ個人情報に対しておおらかな時代だったんですね。
美奈子:全然規制がなかったですよ、そんなの。
――では、最後の質問です。もし過去をさかのぼれるなら、正したい〝過ち〟ってありますか?
美奈子:小さなことはいろいろあるかもしれないけど、今までの経験で私は強くなれてるような気がするんです。うちの母がよく言うんですよ。「経験は栄養だから」って。少し間違えたとしても、それはあなたにとって栄養になるはず。そんな母の言葉を信じて、そう思ってます。
――となると、いずれまた結婚の可能性も?
美奈子:いやあ……(笑)。でも私ってまだ40歳なんですよね。連れ子再婚の難しさをやっと痛感したので、まだうちの子が小さいうちはしないと思いますし、簡単に決めちゃダメだなと。今回は、私が大事にしているものを相手も当たり前のように大事にしてくれると思っちゃったのが間違いなんですよね。次があるとしても、そこの一致が大前提。4回も結婚しといて、もっと早く学ぶべきでしたね(笑)。
Minako
1983年、愛知県生まれ。16歳で第1子を出産、24歳で5人の子持ち。最初の夫とは2度離婚。その後、林下清志氏と3度目の結婚をするも2年で離婚。’15年に佐々木義人氏と4度目の結婚。’18年に8人目の子供が生まれ、2人の孫もいるが、現在は離婚協議中
取材・文/田辺健二 撮影/武田敏将