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長時間フライトでも疲れない「飛行機の座席位置」を徹底考察。人気は前方座席だけど

JALのエコノミーならではのサービスとは?

エコノミークラス

エミレーツ航空3‐4‐3配列のA380

 ここで余談ではあるが、JALは特別なシート配列になっている機体があることをお教えしたい。  JALは長距離で中規模の都市(例:ヘルシンキ)などにボーイング787を投入しているが、このエコノミークラスシートは8列の2‐4‐2で一般的な他社のシートよりも1席少ない。その分、各シート幅と通路が広い。エコノミークラスで評判の良いJALならではのサービスだ。  結論を言うと、長距離国際線の航空機を想定する場合、どの機体に搭乗するかで快適性も異なるのかというと機内に通路が2本あるワイドボディ機であればエアバスであっても、ボーイングでもさほどの差はない。

前方と後方のどちらがいいか

エコノミークラス

TAPポルトガル航空は2‐4‐2配列のエアバスA330neo

 一般的に人気があるのはエコノミークラス前方の座席だ。到着後の降機の際にいち早く機外に出ることができるメリットがあることから、もともと人気があるようだ。事前座席指定でも、前方から埋まっていく傾向にある。  ただ、早く機外に出たところで入国審査に並んだ上に、手荷物を預けた場合に早く受取りに行っても、ターンテーブルに出てきていないケースがほとんどだろう。機内でゆったり過ごすのであれば、空席の多い傾向のある後部座席エリアがおすすめだ。  また、後部区画の中で、前方か後方かを選ぶとすれば中間部がいいかもしれない。最前列は足元が広くて人気ではあるものの、非常口座席であるために離着陸時に荷物を置いておくのは禁止されている。ひじ掛けはテーブルが備わっていることから上に持ちあげることができず、最初から最後まで完全に席に収まっていなくてはならない。2列目以降は、隣席が空席の場合は、ひじ掛けを上げてくつろぐことができる。  前方と後方エリアを避ける理由は、ラバトリーとギャレーが近くにあるために音がでるからだ。ラバトリーでは、用を足したあと水を流す時にバキュームのシステムを使っており、ボタンを押すと「バゴッ」というような吸引の大きな音がする。またギャレーでも、客室乗務員が飲食の用意をするために動いており、食事サービスのカートを出し入れするだけで音がでることもある。ゆっくり休みたい場合にそれらの近くは避けたほうが無難だ。
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通路側か窓側か
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航空会社勤務歴を活かし、雑誌やWEBメディアで航空や旅に関する連載コラムを執筆する航空ジャーナリスト。YouTube チャンネル「そらオヤジ組」のほか、ブログ「Avian Wing」も更新中。大阪府出身で航空ジャーナリスト協会に所属する。Facebook avian.wing instagram@kitajimaavianwing

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