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「半永久的に人目に触れない場所」も。香川県の山奥にあるテーマパークが持つ特殊性

全国に数多くあるテーマパーク。今もなお新しいテーマパークが生まれては人々を楽しませ続けている。しかし、そんなテーマパークには、あまり語られることのない側面が存在する。そんな、「テーマパークのB面」をここでは語っていこう。 香川県。うどんで有名な丸亀から電車で少し行ったところに「坂出」という駅があって、そこから車を山の方に走らせると、観覧車が見えてくる。その一帯に広がっているのが、香川県のテーマパーク「ニューレオマワールド」だ。 「レオマ」とは「レジャーは大西に任せろ」の三文字から取られていて、名前のとおり、遊園地だけでなく、ホテルやプールも併設された一大レジャー施設となっている。その中にある「オリエンタルトリップ」というゾーンが今回のテーマである。
オリエンタルトリップ

オリエンタルトリップ

「香川であることを忘れてしまいそうになる」空間

オリエンタルトリップ

プラサット・ヒン・アルン

「オリエンタルトリップ」はアジアにある遺跡が忠実に再現されているエリアだ。 カンボジアの寺院をモチーフとした「プラサット・ヒン・アルン」や、チベットの山奥にある寺院が再現される「タシチョ・ゾン」、そしてイスラーム世界の象徴「モスク」など、普段は見ることが難しい建造物を、わずか徒歩数分以内で、すべてみることができる。 「パスポートのいらない世界旅行」の名の通り、一歩そこに入ると、まるでここが香川であることを忘れてしまいそうになる。

他のテーマパークとの違いは「再現度」

オリエンタルトリップ

モスク

こうした世界各地の名所を再現するのはテーマパークが得意とするところだ。 ディズニーランドに行けば、そこには西部開拓時代の建物が再現されているし、「スペイン村」や「ドイツ村」をはじめとする外国の名前が付いたテーマパークの園内には、こうした外国の建造物の再現が、ごまんと溢れている。 でも、そうした他のテーマパークと、このオリエンタルトリップの遺跡の違いは、その再現度にある。それらはかなり精巧に作られていて、パッと見るだけでは本物かどうか区別が付かないぐらいだ。
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立ち入り禁止区域の仏像は「半永久的に人目にふれない」
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ライター・作家。チェーンストアやテーマパークをテーマにした原稿を数多く執筆。一見平板に見える現代の都市空間について、独自の切り口で語る。「東洋経済オンライン」などで執筆中、文芸誌などにも多く寄稿をおこなう。著書に『ドンキにはなぜペンギンがいるのか』(集英社)『ブックオフから考える』(青弓社)
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