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『ボキャブラ天国』金谷ヒデユキ“絶頂期に引退”の後悔「30年経ってわかりました(笑)」

「自分の遺産で食べてるみたいな感覚」だった

金谷ヒデユキ氏――音楽活動に専念していた頃、収入はどのくらいありましたか? 金谷:ほぼ、ないですよ。だって、CD が1~2枚売れる程度ですから。ただ、ボキャブラ時代に生活を変えていなかったから、蓄えだけは増えていて。その頃の貯金で生活してました。あと、人力舎にコンノさんという経理のおじいちゃんがいて、俺の給料から毎月10万円ずつ引いて積み立ててくれてたんです。だから、事務所を辞める頃は積立貯金が結構ありましたよ。何千万円かあったんじゃないかな? それが、当時のライフラインで、自分の遺産で食べてるみたいな感覚です(笑)。 ――音楽に専念し始めた頃は、当然「音楽でもいけるぞ」と思ってミュージシャン活動始めたわけじゃないですか。でも、だんだん「あれ、ダメかも」と思っていったわけですか? 金谷:「ダメかも」っていうか「ダメだなあ」ですね。もう、結果は出てますから。

10年ぶりにネタをやって「気持ちいいー!」

――その後、どういう経緯で金谷さんは芸人に復帰されたのでしょうか? 金谷:いよいよ食えなくなってきた頃、「声優っていう仕事があるから」と紹介され、声優の仕事でちょっとお金をもらうようになったんです。それで、声優の人と一緒にネット番組をやり始めて。で、スタッフに「誰かゲストを呼べないか?」と聞かれて、その頃は芸人とあまり交流をしてなかったんですけど、唯一、BOOMERだけはつながりがあったんですね。  それで、彼らに「ゲストで出てくんない?」と頼んだら、本当に即答で「いいよ」って。「ギャラとか出せないんだけど」、「全然、構わねえよ」って。「でも、ギャラをもらわない代わりに1個条件がある。金谷、ネタやれよ」と言われて。それで、番組の中で10年ぶりにネタをやったんです。それが復帰のきっかけの最初です。 ――そのとき、ネタをやることに葛藤はなかったですか? 金谷:めちゃめちゃありましたよ。実は、自分の中で「音楽のほうでうまくいったらネタを解禁しよう」みたいな予定があったんです。だけど、それもなかなかうまくいかないし、「なんか、声優になっちゃってるな」と思いながらBOOMERに出演依頼をしたら「ネタやれよ」と言われて。だから、「しょうがねえ、やるか」と思ってやってみたら……なんか、すごく気持ちよかったんですね! 「おしっこ出たー!」みたいな(笑)。溜めてたのが「ジュワ~!」って。 ――宿便が出たみたいな(笑)。 金谷:そう! 溜まってたもんが全部出て「気持ちいいなあ」って。「やっぱ、お笑いが好きだな」と再認識して。
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10年ぶりに会った太田からの一言はやはり…
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