更新日:2023年10月25日 12:56
仕事

「ぼくのなつやすみ」作者の創作カレー店が人気。ゲームづくりとの“意外な共通点”とは

親戚の家があった銭函が舞台

なつもん

なつもん!20世紀のなつやすみ ©2023 TOYBOX Inc./Millennium Kitchen Co., Ltd. 

――2000年に発売された夏休みゲーム「ぼくのなつやすみ」の発想の原点はなんだったんですか? 綾部:企画の立ち上げ当時、仕事で疲れると、なぜか子供のころ毎年夏休みに遊びに行った銭函(北海道小樽市郊外)の親戚の家と、その周囲の野山を思い出していたんです。自分の家だったらおもちゃで遊ぶけど、親戚の家だから外へ行って遊ぶしかない環境でした。同僚に「夏休みのシミュレーターってどうだろう?」と話したら「俺は買うよ!」と即答だったので、これは面白いかも!そんな手応えがありました。  ちょうどその頃は、日本でも野外のレイブパーティーが始まった時期で、僕自身もクラブやダンスミュージックが好きだったので、小さなフライヤーの情報だけで千葉や伊豆の山奥まで毎週末行ったり、大騒ぎしてました。あぁ、こういう自然回帰の感じがいいな、と。疲れた時に、子どものころの夏休みの野山を思い出したり、初期の「ぼくなつ」の舞台が関東近郊だったり、伊豆だったりしたのには、こんな理由もあったりします。 ――最新のNintendo Switch用ゲームソフト「なつもん!20世紀の夏休み」は、1999年が舞台ですが、この時代設定はなぜですか? 綾部:現代で作ると、リアルすぎて、あんまり嘘がつけなくて面白くない。1999年だとちょっと昔の古いものがあって妄想できるかなと。あともともと古いものが好きなんです。音楽も小説も映画も。小津安二郎監督の映画とかも好きですね。

好奇心が無駄に旺盛な人ほど深く楽しめる

なつもん

なつもん!20世紀のなつやすみ ©2023 TOYBOX Inc./Millennium Kitchen Co., Ltd. 

――「なつもん!」では裏道がすごく楽しくて、思わず通りたくなりますよね。 綾部:3Dのゲームは表側だけじゃなくて、裏道まで覗けるところが良いですよね。小学校の時は日々、新しい発見を求めて、学校から家まで毎日違う裏道を通って下校してました。そんなに遠くもないのに(笑)。  たぶんうちのゲームは「裏通りがどうなっているか見てみよう!」と考えるような、好奇心が無駄に旺盛な人ほど、深く楽しめるタイプのものなのではないかと思います。
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火星カレーの美味しさの秘密は?
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放送作家を経てフリーライター&作詞家として活動中。好きなテレビ番組は「ザ・ノンフィクション」、好きなラジオはTBSラジオ、得意料理は春巻き。得意領域はカルチャー、音楽、芸能、住宅、美容など。Twitter:@rokohiroko
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