更新日:2023年10月25日 12:56
仕事

「ぼくのなつやすみ」作者の創作カレー店が人気。ゲームづくりとの“意外な共通点”とは

スマホのゲームの課金率は10%未満

なつもん

なつもん!20世紀のなつやすみ ©2023 TOYBOX Inc./Millennium Kitchen Co., Ltd.

――「ぼくのなつやすみ」のスマホゲームも発売する予定なんですか? 綾部:それはノーコメントとさせてください。今は良い座組みが見つかったり、面白い企画が出てきたら開発を再開しようという話になっていますが、僕が得意なコンシューマーとは違う世界なので、越えなければいけないハードルがいくつかあります。  あと、違う世界ではあるけど、なるほどという部分もあって、いわゆるソシャゲの場合、課金プレイヤーは10%未満、内容によっては1%とかもあるんですが、この場合、お金を使いたい少数の人が、ここぞとばかりにつぎ込める仕組みが必要なんですよ。  これは飲食の世界でもまったく同じで、たとえば火星カレーに希少な素材を使った高めのメニュー「カンガルーカレー」があるのは、まさに同じ発想です。そういえば英語では、猟銃で撃って捕まえるジビエ、カンガルーやシカなどのことを「ゲーム」と言いますね。

具体的な移転の計画とかはまだない

火星カレー

オーナーのカレー店「火星カレー」前で綾部和さん

――なるほど、カレーもゲームも同じ脳みそで考えてるってことですね。そろそろ火星カレー監修のコンビニカレーとか出てきてもいいかなと思うんですが、どうですか? 綾部:そういう話が来てもいい頃だと僕も思います(笑)。火星カレーも規模が小さいからそこまで儲かっているというわけでもないけど、これで50人とか座る座席があったら、売上も利益も、人を育てる余力も出てくるので、また違う景色だったかもしれません。ただ、具体的な移転の計画とかはまだないですよ。 ――また綾部さんが今後やりたいことはありますか? 綾部:今年はせっかく「なつもん!20世紀の夏休み」が出たので、この売り上げをもう少し伸ばしたいです。あと個人的にはどうなるかわかんないけど、人を集めてバンドをやったり、ぜんぜん違うこともやってみたいですね。毎日、異なる裏道を歩いて下校していたのと同じです(笑)。 <取材・文・撮影/谷亜ヒロコ> 【綾部和(ミレニアムキッチン)】 1965年北海道生まれ。ゲームデザイナー、ゲームシナリオライター、カレー店オーナー。代表作は『ぼくのなつやすみ』シリーズ、『怪獣が出る金曜日』、『オラと博士の夏休み~おわらない7日間の旅~』、最新作は2023年7月28日発売『なつもん!20世紀の夏休み』。ゲーム以外の仕事として「火星カレー」(食べログ、カレー百名店)のプロデュースや、朗読劇『キラミューン・プレゼンツ・リーディングライブ』の脚本などがある。
放送作家を経てフリーライター&作詞家として活動中。好きなテレビ番組は「ザ・ノンフィクション」、好きなラジオはTBSラジオ、得意料理は春巻き。得意領域はカルチャー、音楽、芸能、住宅、美容など。Twitter:@rokohiroko
1
2
3
4
5
おすすめ記事
ハッシュタグ