更新日:2023年10月25日 12:56
仕事

「ぼくのなつやすみ」作者の創作カレー店が人気。ゲームづくりとの“意外な共通点”とは

宮崎駿の伝説と「僕も少し褒めてもらいたい」

なつもん

なつもん!20世紀のなつやすみ ©2023 TOYBOX Inc./Millennium Kitchen Co., Ltd. 

――2000年に発売された「ぼくのなつやすみ」がヒットしたきっかけは何だと思いますか? 綾部:たぶんライバルがいないゲームだったことが幸いしたのかも。銀座ソニービルの全館を使ってイベントをやってもらったり、NHK以外全てのキー局で取り上げてもらったり。印象的だったのは、当時の『ニュースステーション』(テレ朝系)で、久米宏さんが「今日で8月が終わります」と言って、「ぼくなつ」が紹介されたことですね。『笑っていいとも!』(フジテレビ系)でも紹介されました。面白い仕事が成立したなっていう手応えを感じました。 ――綾部さんは肩書きがゲームデザイナーということですが、どこまでやっているんですか? 綾部:今はプログラムまではやりませんが、ゲームデザイン、これはゲームのメカニクス(遊び)の設計ですね。あとシナリオとアートディレクションまではかっちりやります。「ぼくなつ」の場合は背景のレイアウトも僕でした。宮崎駿監督が「アルプスの少女ハイジ」で全話のレイアウトをやったことが伝説になってますが、僕も一応、「ぼくなつ」全作でラフレイアウトまでを担当してるので、少しだけ褒めてもらいたいです(笑)。

夏休みのゲームは夏が勝負

火星カレー

半分くらいまで食べたら紅ショウガを入れるのがおすすめだ

――今のゲームはパッケージだけじゃなくて、ダウンロードで買う人も多いので、「ぼくのなつやすみ」もすごいお金が入ってくるんじゃないですか? 綾部:「ぼくなつ」は日本でしか出てないし、いくら入ったかはもちろん言えないですが(笑)。たくさん入ってきたというより、長きにわたって少しずつですね。夏休みのゲームは、秋になるとガクンと売り上げが下がってしまう季節商品なんです。  だから毎年7月や8月の売り上げを見て「ああ、まだこれぐらい生き残っていたんだな」とか思ったり。今でも15年くらい前に出た「ぼくなつポータブル2」と「ぼくなつ4」の印税がうっすら入ってきてますね。今年の夏は暑くて長かったので、「なつもん!20世紀の夏休み」も長く売れて欲しかったんですけど、やっぱり季節商品なのか、9月になると売り上げが下がりました。 ――そういうものなんですね。経営者的にいうと、安定しないですね。 綾部:いやいや、低めに安定している、という感じです。 ――ゲーム会社は、コロナ以降おうち時間の影響もあり、売り上げが大きくなっているとばかり思っていました。 綾部:コンシューマー(ゲーム専用機)の場合、メジャータイトル以外は、まあそんなもんです。
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スマホのゲームの課金率は10%未満
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放送作家を経てフリーライター&作詞家として活動中。好きなテレビ番組は「ザ・ノンフィクション」、好きなラジオはTBSラジオ、得意料理は春巻き。得意領域はカルチャー、音楽、芸能、住宅、美容など。Twitter:@rokohiroko
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