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“うつ状態の引きこもり生活”を経て…65歳の作家・中村うさぎが再び美容整形に挑むワケ

自分の顔がずっと嫌いだった

中村うさぎ

中村うさぎ『美人になりたい―うさぎ的整形日記』(小学館)

――著書『美人になりたい―うさぎ的整形日記』(小学館)の中で、「美容整形とは、『自分の顔を手放す』作業である」と書かれています。なぜ、うさぎさんは自分の顔を手放したかったのですか。 中村:自分の顔が、ものすごく嫌いだったんです。生まれつきこの顔だからしょうがないと思って諦める人もいるでしょう。でも、私は諦められず、顔に違和感を抱き続けていた。それは、ナルシシズムとか自己定義の問題だと思います。 ――さらに、同書で「顔立ちと顔つきの違いがプチ整形によって、よくわかった」と述べています。整形によって顔立ちを変えられても、顔つきは、変えられないのでしょうか。 中村:整形は、大きい鼻を小さくするとか、細い目をぱっちり大きくするなど、顔立ちを変える手術です。でも、人間の顔は、顔立ちだけで構成されているわけではありません。顔つきの役目が大きい。少し笑った時の口の動かし方など表情の動きで、意地悪そうな部分や性格の暗さが垣間見えてしまう。それは、「顔つき」ですよね。

「顔立ち」を変えても「顔つき」は変わらない

中村うさぎ

最初に整形する前(40歳くらいの頃)の中村うさぎさん(写真右)現在の夫とともに(※本人提供)

中村:整形したところで、モテない人はモテないとわかった。顔が美人になっても、性格が変わらないから。私自身、整形しても相変わらず意地悪で毒舌だったからモテなかったんです。そういう性格の悪い部分が、笑い方や人を見る目つきに表れていたんだと思います。人間は内面の情報を非言語的に読み取っている。なので、モテるには、顔立ちより、顔つきや立ち居振る舞い方、雰囲気を変えるほうが効果的かもしれません。 ――整形して、周囲からチヤホヤされて内面も変わるケースもありますが。 中村:もちろん、そういう人もいますね。整形して自信を得て、積極的にコミュニケーションを取れるようになって良い方向に進む人もいれば、傲慢になって悪い方向に進む人もいる。私もそうでしたが、顔が綺麗になると調子に乗っちゃうんですね。私の友だちから聞いた話では、デビュー当時垢抜けていなかったニューハーフの人が整形して綺麗になったら周囲を見下すようになったとか。整形して人格が変わることはないけど、もともと内面に秘めていたものが整形によって表に出ることはあるかもしれません。
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ホストに失恋した腹いせで整形、再会の結末は…
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大阪府出身。外資系金融機関で広報業務に従事した後に、フリーのライター・編集者として独立。マネー分野を得意としながらも、ライフやエンタメなど幅広く執筆中。ファイナンシャルプランナー(AFP)。X(旧Twitter):@COstyle

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