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“うつ状態の引きこもり生活”を経て…65歳の作家・中村うさぎが再び美容整形に挑むワケ

ホストに失恋した腹いせで整形、再会の結末は…

――20年以上前、ホスト通いをやめて美容整形にシフトしたきっかけは何だったのですか。 中村:当時ハマっていたホストにフラれ、あまりにも悔しいから「綺麗になってやる!」と思ったんです。フラれたと言っても、色恋営業のよくある手口に引っかかっただけなんですが。最初はホストを見下していて、自分がホストにダマされるなんて思ってもいなかった。それが、みるみるうちに手玉に取られてしまい……。ダマされた腹いせで整形しました。 ――整形後、そのホストと再会されたのですか。 中村:失恋してから、しばらくは絶縁状態でした。ところが、ある日、新宿二丁目で酔っ払っていた時に友だちのマツコ(マツコ・デラックス)が、「久々に、あの男に会いに行きましょうよ」と言い出し、私も勢いで「いいわよ、行きましょうよ」って感じで彼の店に押しかけたんです。彼が私を見てどう思ったかわからないけど、私は彼の老けた姿を見て溜飲が下がったわ。

マツコ・デラックスを芸能界へ導いた布教癖

中村うさぎ

中村うさぎ対談集『人生張ってます-無頼な女たちと語る』(小学館)

――マツコ・デラックスさんが世に出るきっかけを作られるなど審美眼をお持ちですが、どのように人を見る目を養われたのでしょうか。 中村:私には、何かを見出す目はないですが「布教癖」があるんです。今で言う推し活に似た感じで、面白い人や面白い事柄を見つけると、周囲に広めたくなる。美容整形も自分が体験して「こんなに面白いよ」ということを伝えたいから書きました。自分が推したいことをエッセイで書いたのも、当時まだ世間一般に知られていなかったマツコを書籍(『人生張ってます-無頼な女たちと語る』)の対談相手として指名したのも、布教癖のなせる技ですね。 <取材・文・撮影/秋山志緒> 【中村うさぎ】 1958年、福岡県生まれ。同志社大学卒業。0Lやコピーライターなどを経て小説家デビュー。ライトノベル『ゴクドーくん漫遊記』シリーズ(角川スニーカー文庫)や買い物依存症の日々を赤裸々に描いた『ショッピングの女王』(文藝春秋)シリーズがベストセラーに。『女という病』『私という病』(ともに新潮社)『うさぎとマツコの往復書簡』(双葉社)など著書多数。X(ツイッター):@nakamura_usagi
大阪府出身。外資系金融機関で広報業務に従事した後に、フリーのライター・編集者として独立。マネー分野を得意としながらも、ライフやエンタメなど幅広く執筆中。ファイナンシャルプランナー(AFP)。X(旧Twitter):@COstyle
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