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「2006年に閉園した遊園地」“ディズニーランドをパクった”施設が辿った数奇な軌跡

「眠れる森の美女の城」をモチーフにしたお化け屋敷が

奈良ドリームランド

「魔物の住む城」(『アミューズメント産業』1986年5月号より)

私がつい笑ってしまったのは、園内中央にあるお城の中にお化け屋敷が誕生したことだ。このお城は、「眠れる森の美女の城」をモチーフにしていて、見た目は本場のディズニーランドとそっくりだ。本来は、美女がそこに住むメルヘンな世界観のお城が、なぜか魔物の住む場所になったのだ。また、園内の一部は「カプリプール」として当時、西日本最大級のプールとして改装されたが、こうなってはもはやレジャーランドとの違いがわからない。 ディズニーランドを「パクった」施設が、よりディズニーランドに近い施設と差異化をはかるために、徐々にその「パクリ」元から離れようとしていく。「パクること」をめぐる不思議な変化が、奈良ドリームランドを舞台に起こっていたのだ。 なんだか込み入った話になってしまったが、ただ一つ言えるのは、その施設がある種の「パクリ」によってできていたとしても、そこには、そのテーマパーク固有の思い出を持つ人々がたくさん存在する、ということだ。残念ながら奈良ドリームランドは2006年に閉園してしまった。しかし、SNSで検索してみると、奈良ドリームランドの懐かしい思い出を振り返り、その閉園を惜しむ声は多い。 奈良ドリームランドが「パクリ」によってできていたとしても、そこで人々が紡いできた思い出だけは「本当のもの」なのかもしれない。 <TEXT/谷頭和希>
ライター・作家。チェーンストアやテーマパークをテーマにした原稿を数多く執筆。一見平板に見える現代の都市空間について、独自の切り口で語る。「東洋経済オンライン」などで執筆中、文芸誌などにも多く寄稿をおこなう。著書に『ドンキにはなぜペンギンがいるのか』(集英社)『ブックオフから考える』(青弓社)
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