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ラーメン店で暴れた迷惑客を“私人逮捕”した店主が「悪質な私人逮捕系YouTuber」に憤るワケ

私人逮捕系YouTuberが活発化するきっかけに?

私人逮捕

カウンターに立つ庄野さんの目の前の席(写真左側)に男性は着席。一席空けた隣には女性客が座っていた

 また、庄野さんのお店で起きた事件によって「私人逮捕」という言葉が世間に広まったことで、「私人逮捕系YouTuberたちが活発化したのかもしれません」と話した。 「ウチの事件が起こる前は、世間的に私人逮捕って言葉をあまり聞かなかったと思うんですよ。でもネットでバズったことで、みんなが知るきっかけになったと思います。もちろん、法律で定められている権利ではあるんですけど、数字目当ての悪質なYouTuberに『私人逮捕』という言い訳を与えることになってしまったのかもしれません。悪いヤツを誘き出し、私人逮捕って言っておけばいいんだって」

一度いい思いをしたらヤメられない!?

 最後に庄野さんは、不当な私人逮捕を行っていたYouTuberに対して苦言を呈した。 「私人逮捕という言葉を使えば再生数が取れるのではないか? と思って安易に手を出したら、その言葉に飲まれてしまう麻薬のような危険性があると思います。挙句の果てに、無関係の人を一方的に犯罪者扱いして、逮捕される側になってしまった人もいるわけじゃないですか。しかも、人を騙したり悪いことをしているのに『私人逮捕』というワードを使って正当化していたら詐欺師と一緒ですから」  権利として存在するからといって、その使い方を間違えたらトラブルは必至。やり方によっては時に誰かを救い、犯罪の抑止にも繋がることもある一方で、その制度の意味を履き違えてしまうと、誰かを精神的に追い詰め、冤罪を生み出す危険性もある私人逮捕はまさに諸刃の剣。今一度、その意味と正しい使い方を理解しておくべきだろう。 取材・文/サ行桜井
パチンコ雑誌『パチンコ必勝ガイド』『パチンコオリジナル実戦術』の元編集者。四半世紀ほど勤めた会社を退社しフリーランスに。現在は主にパチンコや競輪の記事を執筆している。
X(旧Twitter):@sagyosakurai
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