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「“怖そうだけど、実は良い人”なんて思わないほうがいい」被災地に集まる犯罪者の“悪辣な手口”

お金が必要な被災者に「金貸し詐欺」

能登半島地震

「窃盗団の次に詐欺師がやってくるのが被災地の常識」と語るB氏

中でも、最も儲かったのがATMだという。 「見つけたら、バールや電動ドリルでこじ開けるだけです」 他にも予想されるのは金貸し詐欺だ。 「結局、被災者が一番必要なものはお金。だからさまざまなストーリーで寸借詐欺や振り込め詐欺をやっていた。闇金業者もいたね。自治体の職員や委託業者などと偽って、『保証金を払えば仮設住宅に優先的に入居できる、保証金5万~10万円払ってもらえれば50万~100万円を3日以内に融資できる。返済は災害支援金や助成金が入った後に相殺となるので実質負担はゼロ』などという口上でね」 今回は、闇バイトが暗躍する可能性が高いという。 「東日本大震災時と違って、今は実行部隊をSNSで募り、現地に送り込むケースが一般化すると思います」

「震災は宝の山」悪徳リフォーム業者も

能登半島地震

頼んでもいないのに勝手に倒壊家屋の修復作業を行い、高額請求する詐欺も発生し始めている(写真とは無関係です)

1月16日現在、家屋被害は石川県だけで2万棟を超えており、今後さらにその数は増える見込みだ。こうした状況は、リフォーム詐欺業者たちの格好の餌食となる。関東地方の“悪徳業者”として名高いリフォーム会社の元社員C氏は言う。 「ウチの社長も『被災地は狩り場』とよく言ってました。こういう業者は平時から、老人の多い戸建ての住宅街や限界集落などを回っていて、どこが狙い目かわかっていますからね。それで住人が出てきたら『たまたま近所で工事をしていたら、お宅の屋根が目についた。相当老朽化していて危ないので、応急処置しておきます』などと言って半ば強引に敷地内に入り、作業を始めるのが手口ですが、今回はすでに倒壊してる分、やりたい放題でしょうね」 実際、現地では「屋根を直してあげるから材料費が必要」と持ちかけられたという証言も出始めている。また、屋根瓦が壊れた家に無断でブルーシートを設置され数十万円を請求された被害が40件以上報告されている。 災害ごとにアップデートされていく被災地犯罪の手口。被災者とその関係者は、十分に気をつけてほしい。 取材・文/田村R 根本直樹 写真/産経新聞社 ※1月23日発売の週刊SPA!特集「能登半島地震 被災地に群がる[悪い奴ら]」より
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週刊SPA!1/30号(1/23発売)

表紙の人/ 大原優乃

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