更新日:2024年04月04日 16:30
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「ネットのおもちゃにされてムカついた」盗撮を機に立ちんぼをやめた20歳が“たどり着いた場所”

立ちんぼは女性だけの問題ではない

立ちんぼ

坂本 新氏

 大久保公園周辺で夜回り活動をするNPO法人レスキューハブ代表の坂本新氏に、最近の実情を聞いた。 「路上の女性の数は、少なくなったように見えるかもしれませんが、私は減ったという実感はありません。警察がいなくなる時間を見計らって立つなど、見えにくくなっただけです。取り締まりは強化されていますが、警察も逮捕だけでは根本的な解決に至らないことを理解しており、逮捕と同時に公的支援につなぐ取り組みもされています」  実際、逮捕されても出戻りする女性は少なくないという。 「身元引受人として迎えに行った帰りに『私ちゃんと働いたことないけど、仕事できんのかな』と話す人もいて、やめたくても収入を得られる他の手段がないという現実も大きい。また、コロナ禍以降は、推し活を理由に立つ女性も多いため、支援は複雑化しています。NPOとしては、推し活以外にも、充足感を得られるような選択肢を提示していくことも課題の一つです」  夜回りでは、団体の紹介カードを添えて女性が好むアメニティを手渡し。回数を重ねることで、支援のきっかけにつなげているという。

“負のループ”を止めるには

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夜回りでは、団体の紹介カードを添えて女性が好むアメニティを手渡し。回数を重ねることで、支援のきっかけにつなげている

 路上に立つ女性だけではなく、買春者である男性への啓蒙も必要だと呼びかける。 「買春者の多くは、路上売春の場を“女のコと遊ぶ場所”ぐらいに捉えているでしょう。でも、一度立ち止まってほしいんです。今、買おうとしている女性の背景に、どんな問題があってこの生活をしているのか。頭ごなしに説教をするつもりはありませんが、買春者である男性側が当事者の背景を理解し、声を上げることも、社会を変えるためには重要だと考えています」  買春者の意識変革こそが“負のループ”を止めるのかもしれない。 【坂本 新氏】 NPO 法人レスキュー・ハブ代表。大学卒業後、民間警備会社に就職。繁華街でのアウトリーチを通し、困難を抱える夜職従事者を支援 取材・文・撮影/週刊SPA!編集部
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