お金

タマホームとアイダ設計で分かれた明暗。「注文住宅」が“激減”しても好調を維持できる理由

8期連続の増収増益を達成できるか?

タマホーム

タマホーム 売上高・営業利益・営業利益率 ※決算短信より筆者作成

 タマホームは2024年5月期の売上高を2570億円、営業利益を141億円と予想しています。予想通りに着地をすると、8期連続の増収営業増益を達成します。  ただし、市況の悪化を受けているのは間違いなく、上半期の売上高は前年同期間比10.0%減の1127億円、営業利益は同55.5%減の30億700万円でした。2桁の減収減益で折り返しています。  タマホームはSNSの投稿者に対して、損害賠償請求や法的措置をちらつかせるなど、投稿内容に猛抗議をしたことで世間を騒がせました。住宅展示場でネジが出ている箇所を発見して投稿し、炎上したのです。  会社側が強硬な手段に出たのも、市況が悪化する中でブランドも毀損し、集客力を失うことへの強烈な危機感があったからでしょう。

「注文住宅事業」は大打撃を受けているが…

 タマホームの注文住宅事業、2024年5月上半期の引渡額は前年同期間比12.5%減の769億円でした。引渡棟数に至っては、18.6%も減少して3514棟となっています。  見ての通り、注文住宅事業は大打撃を受けています。その一方で、戸建分譲事業は堅調そのもの。上半期の引渡金額は226億円で、前年同期間比2.7%の増加でした。引渡棟数も3.0%増加の755棟でした。  戸建分譲事業は、2023年5月期の引渡実績が前期比3割も増加していました。棟数は1247となり、過去3期で初めて1000棟を突破しました。今期はそこから更に金額、棟数を積み増しているのです。
次のページ
「10区画未満の分譲地開発」に乗り出す
1
2
3
4
フリーライター。大企業から中小企業まで幅広く経営支援を行った経験を活かし、経済や金融に関連する記事を執筆中。得意領域は外食、ホテル、映画・ゲームなどエンターテインメント業界
記事一覧へ
おすすめ記事
ハッシュタグ