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ニューバランスは「買ってはいけない」「買うべき」が紙一重。後悔しないための見極め方とは

日本人のカカトには合わない「Made in USA 998」

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Made in USA 998 GR。3万7400円。写真公式HPより

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筆者私物。革をあてがって履いていたもののダメージが増すばかり

はげしく後悔したのが同じくアメリカ製の「998」。3万7400円。幅はD(やや狭い)のみ。もちろん個人差はありますが、日本人特有の「小さくて絶壁カカト」とはもっとも相性が悪いと思います。私も去年まで頑張って2年ほど履いていましたが、ギブアップ。とにかくかかとのカーブの設計が「スーパーストレート」で食いつかず、紐を全力で締めてもスポスポ脱げてしまう。加えて扁平足の方は(私もですが)、内側に極端に倒れやすく、カカトが遊ぶのでまちがいなく靴の内側に穴も開きます。 発売された1993年当時は、このカカトのカーブや内側にねじれるソールの設計が正解だったのですが、30年たって時代は変わりました。今のシューズで極端に内側に倒れる設計のものはまずありません。「998」はNB直営店だけではなくセレクトショップでも販売されていますが、履いてる方の足元を見るともれなく内側に倒れこんでいます。ネンザの原因にもなりますし、履いていてまったく快適ではありません。要注意モデルです。

低価格NBおすすめ、ハズレなしの鬼コスパ「996」

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「996」。1万6280円。写真は公式HPより

こちらはアジア製の低価格帯の代表「996」です。定価では1万6280円ですが、カラーバリエーションが豊富で回転が早いので、ABCマートなどでは1万円ちょっとで手に入ります。私も愛用していますが、履き心地に何の不満もありません。35年前から何も変わらないデザインで、その存在感はまるで生きた化石に近い「サメ」。最低限のパーツでありながらカカトのブレを抑えるスタビライザーや、親指の破れを防ぐ天然革のパーツの独特のラインは数多くのメーカーのお手本になりました。 お値段なりに靴の幅は「D」一択なのですが、足の骨格の伸縮を考慮されたデザインなので、私のような「3E」幅の足でも不思議にストレスなくフィットします。本来はガチのランニングを考慮してるので、つま先の余裕(捨て寸)が程よい長さで品がよく、服のコーディネートにもうまくハマります。ソールのC-CAPという衝撃吸収材も加水分解に極めて強いので、長く付き合えてコスパは抜群。私はメンテしながら10年履き続けています。はじめてのNBであれば、ハズレのない1足です。
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こまつ(本名・佐藤靖青〈さとうせいしょう〉)。イギリスのノーサンプトンで靴を学び、20代で靴の設計、30代からリペアの世界へ。現在「全国どこでもシューフィッター」として活動中。YouTube『シューフィッターこまつ 足と靴のスペシャリスト』。靴のブログを毎日書いてます。「毎日靴ブログ@こまつ

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