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「急かされると威圧感を覚える」部下からの“逆ハラスメント”に心を病んでしまった上司の末路

部下からのハラスメントに悩む日々

 江村さんは、人が変わったように言動を変化させたようです。しかし、その結果予想外の事態に直面します。 「人って、そんなに急に変われないものですね。先日も『この前お願いしたプロジェクトの企画書はどうなっていますか?』と進捗を確認しただけなのに、その部下から『急かされると威圧感を覚えてしまう』と意見されたり、緊急で資料作成する必要があったので、残業をリクエストするため『定時以降の予定を聞かせてほしい』と確認すると『プライベートの詮索だからセクハラです』と指摘されたりしたんです。私が単純に部下から見下されているのでしょうか」  一念発起したものの、部下たちを混乱させるだけで、しかも半ば「逆ハラスメント状態」に陥ってしまい、かじ取りに悩む日々が続いたといいます。

気がつけばメンタルが崩壊していた

落ち込むビジネスマン

※画像はイメージです

 力不足を痛感し、比較的仲の良い先輩社員に相談するも「江村、それはなめられているんだよ。ガツんと言ってやれ」と、本質的なアドバイスはなく、完全に板挟み状態になっていたそうです。 「もう少し先輩らしい言葉をもらえると期待していたのですが、軽い返答に心底落胆しました。今まで平穏に過ごしてきたサラリーマン生活でしたが、まさかこんなに居心地が悪くなるとは想像もしていませんでした」  途方に暮れ、気がつけば食欲もなくなり、体重が5キロも減ったそうです。 「妻の勧めで、心療内科を受診したのですが、医者からは鬱の初期症状だと言われました。改めて病名がついたことで、余計に心が重くなったのを覚えています」  江村さんは、その後会社に休職届を提出し、しばらく自宅療養に専念することにしました。ただ、新入社員から逆ハラスメントを受ける夢を頻繁に見るそうで、トラウマとなってしまった職場での光景を思い出すたびに、職場復帰が遠のくことを感じているそうです。 <TEXT/ベルクちゃん>
愛犬ベルクちゃんと暮らすアラサー派遣社員兼業ライターです。趣味は絵を描くことと、愛犬と行く温泉旅行。将来の夢はペットホテル経営
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