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「静岡市VS浜松市」の対立・分断が顕著に…実は「リニア問題への関心は低かった」静岡県知事選を振り返る

「静岡市と浜松市の対立構図」をまとめる必要が…

静岡県知事選

川勝県知事の下で副知事を務めた大村慎一候補(撮影:小川裕夫)

リニアが県知事選の争点ではないとすると、ほかに知事選の争点は何だったのでしょうか? 浜松に計画されているドーム球場の是非なども争点のひとつとして浮上しましたが、なによりも今回の県知事選は県都・静岡市出身の大村氏と、静岡市より人口が多く産業も集積している浜松市長経験者の鈴木氏という、いわば静岡市(中部)VS浜松市(西部)という対立構図が争点でした。 そうした対立構図は各地域の得票にも明確に表れています。県西部は鈴木氏を、県中部は大村氏を支持する傾向が鮮明に出ていました。知事選で分断されてしまった静岡県をひとつにまとめること、それが鈴木新知事の最初に取り組まなければならない仕事になりました。

蚊帳の外に置かれていた東部・伊豆エリア

そして中部と西部の争いという今回の選挙で、蚊帳の外に置かれていたのが東部・伊豆エリアです。鈴木・大村両陣営は東部・伊豆の票を取り込むべく、熱心に足を運んで支持を訴えました。 鈴木氏は沼津を地盤とする立憲民主党の渡辺周衆議院議員を、大村氏は三島市を地盤にしている自由民主党の細野豪志衆議院議員を伴って遊説するなど、両候補からも配慮が窺えました。 鈴木新知事は東部・伊豆の振興策として専任の副知事を置くとしています。副知事人事は議会の承認が必要になるため、それまでは担当戦略監を新設して対応するとの見通しを示しました。 鈴木・大村両候補が重要視した東部・伊豆振興策もさることながら、川勝県政が残した課題のひとつに静岡市・浜松市の2つの政令指定都市の人口減少対策・地域活性化があります。
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静岡市民から熱い支持を集めた大村氏だが…
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フリーランスライター・カメラマン。1977年、静岡市生まれ。行政誌編集者を経てフリーに。首相官邸で実施される首相会見にはフリーランスで唯一のカメラマンとしても参加し、官邸への出入りは10年超。著書に『渋沢栄一と鉄道』(天夢人)などがある Twitter:@ogawahiro

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