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神奈川県警の元巡査部長が暴露した“警察の裏の顔”「ノルマのために、しょうもない検挙をしていました」

「当時は、人が点数に見えていた」

[モンスター警察官]に注意せよ!

神奈川県警の後輩をいじめる元上司。よっしー部長はその後輩を助け、「元上司から逆恨みされ、退職を決意」

理不尽な目に遭っても、警察組織では上には逆らえない。 「自分で言うのもなんですが、僕は“優秀”な警察官だった。がむしゃらに数字を追って、3年連続で検挙数トップに。当時は、人が点数に見えていた。検問で酒臭い運転手を見つけても、酒気帯び運転は交通機動隊の点数で、警ら隊の点数にならず、手続きが面倒だからと見逃す同僚もいた。 最近、警察官の行きすぎた職質動画がSNSに拡散されていますが、その警察官たちだって、ある面では被害者です。数字に追われると、なぜ警察官になったのかさえわからなくなる。点数至上主義は、すべての警察官を狂わせます」

<弁護士が解説>職務質問「適法/違法」ライン

急いでいるのに警察官に呼び止められ、横柄な態度での職務質問を受けて不快感を覚える人も多い。そもそも職質は任意だが、拒めばあらぬ疑いをかけられてしまうリスクがある。 どちらの対応をするにせよ、職質の違法・適法の境界は知っておきたい。アトム法律事務所の松井浩一郎弁護士に聞いた。
[モンスター警察官]に注意せよ!

弁護士・松井浩一郎氏

「例えば、警察官が強引に腕を摑むなど身体への接触があったり、本人の許可を得ずに所持品を勝手にチェックしたりするなどの職務質問は違法です。ただし、違法薬物の小袋をパンツの中に隠しているか判別する『チン嗅ぎ』などの行為において、身体接触があったとしても、本人の許可を得て行われているのなら、適法の範囲内だと判断される可能性は高いですね」 しかし過去の判例を見ても、職務質問に関する法律はグレーな部分が多いという。 「基本的には、警察署で『違法な職務質問を受けました』と被害を訴えても取り合ってもらえません。仮に国家賠償請求訴訟をした場合、判決が出るまでに最低でも1年以上がかかって、慰謝料の相場は数十万円。それに捜査上の違法性を裁判で認めさせるのはかなりハードルが高いので、訴訟が現実的ではないケースがほとんどでしょう」 不当な職務質問にイラついたとしても冷静な対応を心がけたい。 【よっしー部長】 元神奈川県警巡査部長。山形県出身。18年間、神奈川県警に勤務し、退職。現在は、よっしー部長の名でYouTubeを中心に「警察組織の裏の顔」を発信 【弁護士・松井浩一郎氏】 ニューヨーク大学卒業、東京大学法科大学院修了。アトム法律事務所の広報として、幅広いメディアで活躍中。専門は刑事弁護など 取材・文/週刊SPA!編集部 撮影/杉原洋平
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