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「一度もベッドで寝なかった」パリオリンピック3泊5日で合計27万円の節約旅

想定外の出費「暑すぎて1杯1000円以上のジュースを3杯も」

ボクシング会場

パリのボクシング会場

 ところで、ホテルに泊まらず、満足に物も食べず、観光もしていない。そんな旅でオリンピック観戦を楽しめたのか? 「なんだかんだ楽しかったですね。ボクシングは2万5000円もする高い席で観戦しました。もっと安い席でもいいかなとも思いましたが、おそらく一生に一度のオリンピックでのボクシング観戦だと思うので、ここは思い切りました」  パリはテロ対策のために警察だらけで、会場にはドリンクの持ち込みが禁止。ナントで行われたサッカーの観戦では、あまりの暑さで喉の渇きに耐えられず、1杯1120円もするジュースを3杯も飲んでしまったとか。

10キロあるリュックを背負い続けるはめに…

パリ 今回の節約旅でいちばん困ったことは? 「サッカーのワールドカップの場合、チケットIDみたいなのを見せれば荷物を預かってくれる所があったのですが、パリのオリンピックでは預かってくれる所がなくて不便でした。リュックは10キロあって、ずっと持ちっぱなしはさすがにキツくて」  これは野宿氏にとって想定外だった。荷物があると行動が制限されるし、とても面倒だ。そのような状況だったらゲストハウスに行ってお金を払って荷物だけ保管してくれるように頼むという手もあるだろう。彼はどうしたのか? 「もちろん貴重品は体から離しませんが、荷物は街中に隠しました。ナントでは会場の近くに林を見つけました。パリの会場近くには植木鉢があったので、その周辺に背の高い草が茂っていたのでそこに隠しましたね」  筆者は思わず「なんでそんな場所に隠すんだよ!」とつっこんでしまったが、荷物は後から取りにいったら無事だったようだ。  人には決してすすめられないが、彼にとっては一生忘れられない旅になったのだろう。 <取材・文/今永ショウ>
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